本の感想:世界の住まい大図鑑

世界の住まい大図鑑
野外民族博物館リトルワールド(監修)

世界の住まい大図鑑 地形・気候・文化がわかる

世界の<家>を見るだけで、こんなにも世界を知ることができるのか、と思う本。

世界中の人や民族がどんな<家>に住んで生活しているのか、という点がこの本のテーマだ。
最初に沖縄の石垣島の家が登場する。台風に負けない工夫が随所にしてある。
きちんと屋根や柱家のまわりなどの造りをカラー写真付きで説明してくれている。
なぜ、そういう造りなのか?がよく分かる構成だ。そして同時に分かるのがその土地の地形や気候、文化だ。家を集めただけの本なのに、世界を旅している気になるから不思議だ。

気になる家の造りも多い。
床下にオンドルと呼ばれる床暖房をもつ韓国の家。床下にトンネルがあってたき口で火をおこすと床の下のトンネルを煙が通って部屋が暖かくなる仕組みだ。
モンゴルの「ゲル」と呼ばれる遊牧民の使う持ち運びができる家も面白い。テントのような造りだが、家の中はカラフルだ。2〜3時間で組み立てられるらしい。
とりわけアフリカの国々の家がユニークだ。
ほとんどが竹で出来ている家。暑い気候のため地中に穴を掘って部屋を作っている家。
南アフリカ共和国の家はカラフルな幾何学模様が家の壁に描いてある。描くのはその家に住む女性の仕事らしい。フリーハンドで描かれた壁はすでに芸術だ。

本書を読んで気づくのは、家というものはその土地の気候や自然と密接につながっているという事実だ。その土地の地形を利用し、土質や身の回りに多く存在する木や海藻などを家の素材として利用している。壁の材料に牛の糞を混ぜて使っている国の家もあった。理由はひび割れしにくく、虫がつかない効果もあるからだ。竹を使った家は、身の回りに竹が多く生えているからだ。
本書に欲を言えば、もう少し、どうやって壁を作っているかとか、屋根を作っているか、地中に家を造っているか、など詳しく説明があると更にいいと思った。

<家>は、生活の知恵の結晶なのだ。
自然とともに家はある、ということが本書でよく理解できる。
そう考えてから、自分の住む家やまわりの家々を見回してみた。
もし、現代の日本の家が本書で紹介されていたら、さぞつまらないだろうなあ、と感じた。

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