本の感想:14歳の生命論/14歳にむけた本だが、「生きるって凄いな」と純粋に大人でも感動した

スポンサーリンク

14歳の生命論 ~生きることが好きになる生物学のはなし
長沼 毅(著)
14歳の生命論 ~生きることが好きになる生物学のはなし (tanQブックス)
携帯電話の電波で脳が加熱するのは本当の話。だけど携帯電話の1ワット以下の出力では、電子レンジの1kワット(=1000ワット)の1000分の1しかないため、ほとんど問題にはならない」などと科学者の視点からまともな話が出てくると思えば、漫画ワンピースの「マネマネの実」からヒトの遺伝情報のゲノムの話が出てきたりと「ためになり」かつ「面白い」本です。


本能って何なのかが少しわかる内容が多く載っています。
6章に分けてあります。各章は、漫画やアニメのストーリーから始まる仕立てになっていて、わたしなどは、かなりとっつきやすい。
1章 エヴァンゲリオン
2章 鋼の錬金術師
3章 エウレカ
4章 ONE PIECE
5章 HUNTER×HUNTER
6章 ナウシカ
最終章を、ナウシカで締めるあたりが渋い。
漫画のストーリーや世界観が最初に語られたあとに、著者の得意分野である科学的な視点からの…と思いきや、かなり人生論的な視点や哲学的な意見が語られる。
著者の人間くさい文章はとっつきやすい。
「エヴァンゲリオンの主人公のシンジだったら」とかその漫画を読んだことのないわたしでも、その漫画の世界観がある程度理解でき、面白い。
印象に残った話:
僕たちの体をつくるのに欠かせないアミノ酸や核酸は、僕たちが料理に使う旨み成分でもある。だからアミノ酸の入った料理を食べて『うまい』と感じるのだろう」
「水(H2O)分子は酸素(O)を中心に水素(H)がへの字型につながっていて、その角度は104.45度である。このせいで、水は何でも溶かす性質を持つことになっている。ただし、水は液体の中でも特殊な「異常液体」であり、普通の液体であれば、固体になると密度が上がって同じ体積であれば重くなる。しかし水は逆に軽くなる。だから氷が水に浮くのだ。このおかげで、南極の氷の下でも生物は存在できるのだ」
「スイヘイリーベ、ボクノフネ…と化学の勉強で覚えた元素記号の順番の最初の4つは、スイ(H水素)、ヘイ(Heヘリウム)、リー(Liリチウム)、べ(Beベリリウム)であり、これは宇宙の誕生であるビッグバンのあとの17分間にできた元素なのだ」
「細胞は水(中身)と油(細胞膜)から出来ている。水と油がまざらない性質を利用して」
ああ、そう言えば、脳にある神経細胞のミラーニューロンの話は興味深い。
「脳にあるミラーニューロンという細胞は、自分がしたのと同じことを他人がするのを見ると活動する。これは人間特有の『思いやり』と関わっているのではないか」
自分が偶然だ、と思う話。
「ヒトに一番近い動物はチンパンジー。ゲノム(遺伝情報の全体)の違いはヒトとチンパンジーでは、たったの1%」
ワンピースのセリフから、
「失ったものばかり数えるな、お前にまだ残っているものは何じゃ」
漫画が読みたくなる引用もいくつかあり、「ためになり」「面白い本」です。
副題は「〜生きることが好きになる…」ですが、わたしは、この本を読んで、生きることが有り難く思えてきました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました