本の感想:非常識家族/曽野綾子

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「退屈さ。人は退屈さえすれば、たいていましになる。どうだ。いいだろう。退屈には一円の金もかからないのにクリエーティヴ(創造的)になるんだから」 ー本文より

非常識家族
曽野綾子(著)
非常識家族 (徳間文庫)
とりわけ主人公僕(大介)の祖父ちゃんが話す俗世間に対する考えが刺激的な本だ。


冒頭の「東大について」から笑わせてくれる。声を出して笑うというよりは、ニヤニヤしてしまう笑いだ。
僕(大介)と父母、祖父祖母が一つ屋根の下に暮らしている。
その中で交わされる家族の会話がとてもクリエーティヴだ。
わたしの読んだベスト3は、
美人だと歳をとってから美人を維持するのが大変だと母親にいわせる「美人について」
外国仕事の多い叔父さんの友人である宙さんが話す「汚職について」
若い女性を前にして、祖父ちゃんが手厳しくファッションについて語る「流行について」
軽妙な語り口で笑わせたあとの巻末「真・善・美について」でしっかりと先の戦争の反省をさせ、非常識であることの大切さを説いている。すばらしい。
この「真・善・美について」は、ゆっくりと読んだ。
わたしの中では、上記ベスト3の上をいく文章だ。
本書の語り口には一定のテンポがある。
このテンポ、どこかで体験したような?と思って最後の解説まで読んだら理解できた。
本書の解説、落語家の桂歌丸が書いている。
非常識でないと落語で笑いはとれない、と桂歌丸は言う。
なるほど、社会情勢やニュース、近所づきあいで笑いが起きてしまうのは、それが「非常識である」からなのか。
ところで常識っていったい何だろう。ふと思う。

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