本の感想:ドラッグなんていらない

ドラッグなんていらない
出会ってしまう前のきみに伝えたいこと
水谷修(著)

ドラッグなんていらない ―出会ってしまう前の君に伝えたいこと―

本書を読んで、「知識が無いことは、犯罪でもある」という言葉を思い出した。

「夜回り先生」こと水谷修さんの文でつづられた絵本だ。
絵本とは言え、文章が多い。文章が多いわけは、真剣につづられた内容によるものだ。
わたしが一番に驚いたのは、この本が小学生向けに書かれたものだからである。

「出会ってしまう前のきみに伝えたいこと」と副題にあるのは、小学生のときに知っておかなければもう遅い、となってしまうから。水谷修が中高生に出会って現場で肌で感じた必要性から本書は生まれたのだろう。それにしても小学生から知っておかなければならないような状況に現代の日本もなってきたのかと思うとぞっとする。

この本で「ドラッグ」についての知識が得られる。その知識とは、「自分」を守るためであり、「家族」を守るためであり、「友達」を守るためである。
冒頭の「ドラッグの種類」についての説明の中には、わたしたちに身近な「タバコ」や「アルコール」が登場する。
「依存症」になってしまうことが「ドラッグ」の定義であるなら「タバコ」や「アルコール」もれっきとした「ドラッグ」なのだ。

水谷は言う。

みなさんのなかでお父さんがタバコを吸う人は、家でお父さんに、「お父さん、私のこと好き……?」と聞いてみてください。きっと、「目の中に入れても痛くなおほど大好きだよ」と答えてくれると思います。そしたら、「じゃお父さん、わたしのためにタバコを一年間やめて……」と頼んでみてください。

相手に害があると分かっているのにやめられない。「依存症」というものについて分かりやすく説いている。
本書の事実(著者自らの体験に基づく話)を前にすれば、子を持つ親なら一緒に読んでおこう、となるかもしれない。
そう、本書は小学生向けに書かれた本であり、小学生以上の「ドラッグ」への知識が無い人、すなわちわれわれに向けて書かれた本なのだ。

ドラッグの依存症になる人間が弱い人間なのではない。
ドラッグが人間を弱くするのだ。

という水谷の言葉に勇気付けられる人は多いはずだ。

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