本の感想:デルトラ・クエスト3〈3〉死の島

デルトラ・クエスト3〈3〉死の島
エミリー・ロッダ(著)
デルトラ・クエスト3〈3〉死の島
影の大王に仕組まれた「四人の歌姫」の第3話。
三番目の歌姫の登場には、驚きの事実が隠されています。
物語は終盤に近づいているのに、影の大王は自ら姿を見せません。
「黒幕は、いつも自分では直接手を下さない」
現実世界でも同じかもしれません。
今回は、「竜の友」と呼ばれる伝説の男ドランが消息を断った理由が明らかになります。


影の大王の手先が、主人公リーフたちの行く手を阻む。
デルトラクエスト1から続いてきた構図です。
この巻での代表格は「金貸しジャック」です。
人の弱みや欲望につけ込み金貸しジャックは、影の大王を「私のご主人様」と呼んでいます。
影の大王から授かった魔法の変わりに金貸しジャックは、リーフ達一行の始末を影の大王から命じられているのです。
お金に困っている人を助けるように装い、さらに借金を上乗せしたり、借金を返せないとその人から一番大事なものを奪う金貸しジャックに対しては怒りを通り越して、憎しみさえ湧いてきます。

「どんなにあまいブドウでも、一房に一つはくさった実があるもんさ」
「愛するものに欠点がないと思いこむのは、おろか者のすることだ」

すべて主人公以外から語られる言葉ですが、時々足を止めて考えてみると重みがある言葉がちりばめられています。
旅の仲間リーフ、バルダ、ジャスミンのうち、山奥で育ったジャスミンだけは泳ぐことができません。
金貸しジャックが船長となっている「幸運の女神号」という船がでてきます。
舞台は、海です。
ジャスミンにとっては不利な戦場となりますが、昔の仲間達がここで活躍します。
ここまでたどり着くのには、長い旅が必要でした。
「昨日の敵は、今日の友」という言葉がありますが、今回の巻では、この言葉がぴったり当てはまるような気がします。
今まで最初から味方同士だった訳ではない人たちが、今回は活躍するからです。
デルトラクエストは、この巻まで、14巻あります。
一巻一巻は、長い本ではありませんが、こうして続けて読んでみると色々な人に出会い旅をしてきたことがわかります。
読む人もまた旅をしているのです。
金貸しジャックは、最後に自分が過去に発した言葉によって、自らを葬ってしまいます。
この巻で、一番胸のすく場面です。ジャスミンが機転を発揮します。
そして、西の歌姫は意外な人物の中にありました。
3番目の歌姫を倒し、最後の4番目の歌姫に向かうリーフ達。
竜がつぶやきます。
「計画すべきときがあれば、行動すべきとき、そして休むときもある。たいせつなのは、いまがどれなのかを知ることだ」
最終目的地は、意外な場所でした。
始まりに終わりを思う…そんな聖書の一節を思い出しました。

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