長崎瞬哉(詩人)

詩:景色

今見ている景色が 二度と見ることのないものなら 人はそれを どんな思いで眺めるだろう 「いってきます」が 「さよなら」だとしたら どんな顔を 相手に向けるだろう
長崎瞬哉(詩人)

詩:お面

胴体はどこへ消えた? 最初から持ってない
長崎瞬哉(詩人)

詩:本

ページをめくると わたしは小さな魚になる 言葉の海は どこまでも深く大きく わたしを包みこむ…
長崎瞬哉(詩人)

詩:世界

この世の全てはあなたに対する問いかけだ 答えが消えてしまわないうちに
長崎瞬哉(詩人)

詩:時間

電車の中で 泣き叫ぶ赤子をあやす夫婦がいた
長崎瞬哉(詩人)

詩:存在

「それ」は、ずっとそこにあった。 たぶん「それ」は、私の小さな頃からそこにあったと思う。
長崎瞬哉(詩人)

詩:時

だから悔しい だから嬉しい だから悲しい だから笑う 二度とは来ないと知っているから
長崎瞬哉(詩人)

詩:落ち葉

わたしには枯れてなお枝に残っている葉が聞き分けのない子どもに見える。
長崎瞬哉(詩人)

幻夢

機械が夢を見るのであれば 人も機械と言えるだろう
長崎瞬哉(詩人)

詩:帽子

小学校の帰り道、帽子が道に落ちていた。 誰の帽子か気になって、僕はそっと持ちあげた。