本の感想:あたらしいみかんのむきかた/全25種

ご家族そろって、こたつでみかんを食べているときにおすすめしたい本。
あたらしいみかんのむきかた
岡田好弘(作)
神谷圭介(絵/文)
あたらしいみかんのむきかた
みかんの皮をむいて何か作品ができるのではないか?と考えた著者が考案したみかんの皮を使った動物の作り方。
「むきお」と「むきみ」(兄妹)が繰り広げるみかんの皮のむき合戦漫画も面白い。神谷圭介さんの描く漫画はどこか昭和を感じさせる。著者岡田好弘さんの想像力あるみかん動物たちに劣らず漫画の方も面白い。


わたしは表紙の馬(もちろんみかんの皮で作った馬)を見ただけでこの本をのぞいてみたくなってしまった。
わたしは本書を息子にプレゼントしたが、実はわたし自身が欲しくなってしまったのだ。
同じくみかんのむき方を扱った本に、
中村孝司(著)『みかんの面白いむき方大百科』
みかんの面白いむき方大百科
がある。
こちらは、みかんの実も作品の一部になっている。
みかんの皮が腕時計のベルトで、みかんの実は腕時計の時計部分になっている「いま何時?オレンジ(時)」のような作品がしゃれている。
ただ、『みかんの面白いむき方大百科』では、みかんの皮の不必要な部分は捨ててしまっているのに対し、『あたらしいみかんのむきかた』では、みかんの皮をすべて使い切って一つの作品を作り上げている。
みかんの皮を無駄にせずに作っているのだ。
一筆書きや折り紙にも通じる考え方だ。極めて日本らしい考え方の本になっている。
すでにこれは芸術である。
本書の主人公「むきお」と妹の「むきみ」は、干支の十二支を全てみかんの皮で作っている。
最後には伝説の動物まで登場してしまう。
みかんの皮をむくとき、つい何かオリジナルな作品を作ってみようと思ってしまう本だ。

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