恋愛なんて単純接触効果以外の何物でもないから
が口癖で恋愛をする人の気持ちが全くもって分からないという変な探偵小石が主人公。
どちらかと言うと、小石は恋愛を毛嫌いしているようにも見える。
調査員の蓮杖、事務バイト雛末の計3人が所属する小石探偵事務所をきりもりする代表でもある。
小石には特殊能力がある。
好意をよせる相手への矢印がその人の胸に突き刺さっていることが見える。もちろん自分に好意をよせている人の矢印も目に見える。
だから不倫調査が得意な探偵である、という設定になっている。
探偵小石が一番の謎だ。
特殊能力はさておき、なぜ恋愛に対してそこまでかたくなにドライであるのか。その割には恋愛の意味のなさへの持論を何度も口にする。過去に恋愛に関して何かあったことを思わせる。
ミステリー小説の醍醐味は途中で誰が犯人かの謎解きと推理だが、当然ながらわたしの予想は大きく外れた。
読んでいる最中に「まず〇〇なんてことはないよな?」と感じたことが多々あった。
それらほとんどが最終的に正しかった。
キーワードを一つあげるなら「偏見」。
作者は途中で「偏見」に対するヒントを出してくれている。わたしはスルーしてしまったが。
小石と常に調査にあたる蓮杖(れんじょう)は、もしかして恋情の当て字かも!
となるとその他の登場人物の名前も意味をもってくるのでは?と読後に発見したようなしなかったような。
作中に登場するYouTuberやSNS、スマホ、ライブ配信などなど2026年の今ならリアルに感じるだろうし、この時代に読んで楽しいミステリー小説に違いない。
エピローグ。にやりとしてしまうのは、「探偵小石は恋しない」というタイトルが頭の中で反芻するからだろう。

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