本の感想:作絵/宮西達也「わたししんじてるの」

わたししんじてるの
作絵/宮西達也
わたししんじてるの (絵本の時間)
あなたが嫌いな人があなたを助けることがあると思いますか?
宮西達也の本の中でわたしが一番最初に出会ったのは、「おまえうまそうだな」だ。
子供が読んでも素晴らしい本は、大人が読んでも素晴らしい。


「おまえうまそうだな」では、アンキロサウルスの赤ちゃんの前にティラノサウルスがあらわれて、普通なら食べられておしまいなところを、最後にホロリとさせる展開が待っている。
絵を含め、作者宮西達也の力量は素晴らしい。この本でも悪役のティラノサウルスが、ホロリとさせてくれる。
本書「わたししんじてるの」は、突然の事故にあった父親と母親を助けるために、トリケラトプスの子が恐竜達に助けを求める物語だ。
色々な恐竜に助けを求めるが、どの恐竜も解決することが出来ない。もっと力が強ければ助けられるのだが…
ティラノサウルスに助けを求めれば、父親と母親が助かるかもしれない。
しかし、ティラノサウルスはトリケラトプスを食べ物としてしか見ていない。
「信じる」という言葉がキーワードだ。
いざとなったとき、嫌いな人や悪そうな人を信じることが出来るのだろうか。
作者はこのティラノサウルスシリーズを通じて、「どんな恐竜(ひと)でも、誰かに必要とされたい」というメッセージを常に発している。
わたしはこのシリーズを4冊読んでいる。このシリーズに出てくる草食恐竜達が好んで食べる「赤い実」がこの本でも登場する。
今回は、最後にこの「赤い実」がホロリとさせてくれる。
きっとこの「赤い実」は美味しいのだろうなぁ、と思う。

コメント

  1. […] でつまむと弾力がなくすぐにぐちゃっとしてしまった。 ちょうどその赤い実は、<宮西達也の絵本に出てくる「赤い実」>を思い出させてくれる。 赤い実は鳥が食べるのか、と思った。 […]

タイトルとURLをコピーしました