子どもは、怖い話が大好きだ。なぜなら、そこに「死」のリアルがあるからだ/怪談レストラン32「死神レストラン」

死神レストラン (怪談レストラン32)
責任編集 松谷みよ子/絵 たかしよしかず
死神レストラン (怪談レストラン)
息子がこの本を読んでいるところを見たとき、漫画を読んでいるのかと思っていました。
サイズが漫画本と同じで、装丁も漫画のそれに似ていたからです。
中身は「いないいないばあ」という赤ちゃん向けの本で有名な、松谷みよ子さんが責任編集した怪談ばなしの短編集です。
気軽に読めて、考えさせられる怖い話がいっぱいです。すでにこの「怪談レストラン」シリーズは、50巻以上出ているので、その中の一冊がこの「死神レストラン」です。


このシリーズの設定の基本は、「レストラン」です。
「レストラン」に来た客が、読み手の「あなた」なのです。
最初にレストランのマスターやウエイトレスが、あなたに料理(怖い話)のメニューを持ってきて、あなたは、それを食べて(読んで)いくという設定になっています。
「メニュー」が「怖い話」のレストランなのです。
好きなものを注文して食べて下さい、といった松谷みよ子さんの粋な計らいを感じます。
そして最初に出てくる話がいつも面白いなあ、と思うのです。

ぼうや、カラスはどこからうまれたか、しってるかい?
カラスは灰の中から生まれたんだよ。
むかしね、どこどこのだれは、いつ死ぬ、って、みんなかいてある本があったそうだ。
占いの本だけどね、ところが自分がいつ死ぬか、みーんなわかっちゃうと、人間、
はたらくのがいやになるんだな。

とこんな出だしです。
それぞれの怖い話は、いろいろな作者の作品なので、それこそいろんな国の料理が味わえます。
50巻も続いている理由がわかる気がします。
この巻では、チェルノブイリや広島・長崎の原爆で生まれた死神たちが突然出てきたりと大人でもハッとする部分が登場します。
現代の医者が、死神たちの仕事をうばってしまう「死神キラー」は、ぜひ老いを意識した方にも読んで頂きたい短編です。
では、「怪談レストラン」にようこそ。

コメント

  1. SECRET: 0
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    このシリーズ。子供に大人気ですね。
    この間、子供と図書館にいったら、小学校低学年らしき兄弟が、それぞれ持っていたバッグから、合計20冊ぐらいこのシリーズを取り出して返却しているのを見てビックリ。
    mrgaritaさんのブログを読んで、自分も読んでみようと思いました。
    ちなみに、小5になるうちの長男は「都会のトム&ソーヤ」というシリーズに凝ってます。

  2. mrgarita より:

    SECRET: 0
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    コメントありがとうございます。
    怪談レストランシリーズは、気軽に読めて面白いです。
    ぜひ、どうぞ。
    「都会のトム&ソーヤ」ですか。さきほど図書館で見ましたが、1巻が借りられていたので次回借りてこようと思います。
    たくさん出ているんですね。
    ありがとうございます。

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