本の感想:風の谷のナウシカ2

風の谷のナウシカ2
宮崎駿(著)
風の谷のナウシカ 2 (アニメージュコミックスワイド判)
ナウシカ全7巻のうちの2冊目。
映画『風の谷のナウシカ』はこの2巻目の中程で終了していることがわかる。
大ババさまがつぶやく有名なセリフ
「その者青き衣をまといて金色の野に降りたつべし」
の部分だ。実際の原作では、つぶやく人物は大ババさまではないのだが…
わたしたちがよく知っている映画『風の谷のナウシカ』は物語のあとの話の方が長いのだ。


ナウシカがその心を読むことが出来る巨大生物、王蟲(オーム)は映画の中で謎が多い。
この巻では、王蟲に対し人間がしていることの一部が描かれている。
なぜ王蟲たちが怒っているのか。
王蟲の死骸からできた腐海の構造が明らかにされていく。
ナウシカの舞台では、各国が戦争でしのぎを削っている。
頻繁に「野蛮人」という言葉が登場する。
相手をののしるときに使う言葉としてである。
この「野蛮人」という言葉は、著者がわれわれ人類に向けて発しているように思う。

この時代
人は海の恩恵からも見放されていた
海はこの星全体にばらまかれた汚染物質が
最後にたどり着く場所だったからだ……

まるで福島原発の事故を予見したような言葉だ。

「その者青き衣をまといて金色の野に降りたつべし」

のあとには、
「失われた大地との絆をむすばん」
と締めくくられていた。

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