本の感想:育てたように子は育つ/相田みつを(書)・佐々木正美(著)

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育てたように子は育つ
相田みつを(書)
佐々木正美(著)
育てたように子は育つ―相田みつをいのちのことば
しあわせはいつも 自分の心がきめる
相田みつをの言葉には、いつも、はっとすることが多い。
相田みつをの言葉を借りるなら、たぶん「みんなほんもの」なのだろう。


“みんなほんもの”という書画には、トマトをメロンにみせようとするから偽物になる、とある。
この本は、相田みつをの書画を精神科医の佐々木正美が解説している本だ。
いや、解説しているというのは、しっくりこない。
佐々木氏もいっているように、相田みつをの書画は、意味を解読するようなものではない。
見て感じるものだと思う。
これは、わたし自身も、相田みつを美術展で、彼の“ほんもの”の書画を見て思ったことだ。
印刷された本の書画と、実際の書画は違う。

しあわせは 自分の心がきめる
つまづいたって いいじゃないか にんげんだもの

わたしは、これらの書画の“ほんもの”を見た。
実際に涙が出た。
ぜひ、実物を見て下さい。
この本は相田みつをの書画が先にあり、その後に佐々木正美氏が感じたことや相田一人(相田みつを氏長男)らとの対談からなっている。
子どもの教育や成長について多く書かれており、子どもを持つ親や教育に携わっている人にとっては、時々読み返してみると、その時々で参考になると思う。
タイトルの

 育てたように
 子は育つ

というのが、この本のテーマであり、相田みつを氏・佐々木正美氏双方が伝えたい言葉なのだと思う。
本書より引用
私たちは、たいてい、条件付きでない愛情を与えることができない。これができればほめてあげる、あれができれば
喜んであげる、これができないから腹が立つといったぐあいである。そして、その条件がおおきければ大きいほど、子どもは相手に対する不信感を大きくして、自分への劣等感も大きくしていく。

これは、相田みつを氏の書画
欠点まるがかえで信ずる
そのままで いいがな
遠くから みている

などに代表されるような子育ての基本なのではないか、と本書では伝えている。
相田一人氏もよく父親の書画を理解しており、
「父の書画は、けっして上から目線でなく、同じ目線に立っていつも言っている」と述べている。
相田みつをの書画が、彼の死後も多くの人に愛されるわけは、ここにあるのだと思う。
佐々木正美氏も、「しあわせは 自分の心がきめる」について、
TVを見るにも、食事をするにも、会話をするにも、しっかりと自分の心で決める習慣を身につけなければ幸福にたどりつくことなどできない、と述べている。
彼はまた、教育の基本は、欠点を並べ立てる前にその子の長所に気づいてあげて、それを伸ばしてあげることだとも繰り返し述べている。
そう言う意味で、佐々木氏は本書の題名を「そのままで いいがな」にしようと思ったらしい。
わたしは、小さい頃、祖母によく「人は人、自分は自分」と良く言われた。
辞書には「十人十色」という言葉もある。
多くの偉大な人物は、共通の項目をそれぞれが違う言葉で表現している。
人を殺してはいけない ー この命題に真正面から答えられる大人は少ないと思う。
あなたの大切なものは何?と聞かれ、「自分の命」と答える。
だから他人の命も大事なんだよ、と答えている「相田みつを」もまた、偉大な人物の一人なのだと思う。

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