本の感想:涼宮ハルヒの憂鬱

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本の感想:涼宮ハルヒの憂鬱 面白かった本(小説)

涼宮ハルヒの憂鬱
谷川 流(著)

「東中学出身、涼宮ハルヒ」
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」

高校生になった主人公の俺こと「キョン」(主人公の中学時代あだ名)は、高校初日の自己紹介で真後ろの同級生の第一声に驚いて振り返る。
そこにはえらい美人である同級生「涼宮ハルヒ」がいた...こんないっちゃってる出だしからして、わたしは少女漫画やライトノベルの類を想像しながら読み始めることになった。

主人公の「俺から目線」の文体と視点。慣れると違和感なく読み進められる。いわゆるライトノベルだ。

美少女キャラが沢山出てくる。
なぜか主人公がモテる。
キャラクタ設定が過激。
ストーリー展開が早い。
キャラクタ同士のセリフ多し。

等々、ライトノベルの要素は満たしているので、当然読みやすい小説である。

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しかし、あとがきにある筒井康隆氏の「本書はラノベである以前に優れたユーモアSFである」との指摘。わたしは極めて的を得ているように思う。

主人公が言う。

結局のところ人間はそこにあるもので満足しなければならないのさ...(云々)

に対して、涼宮ハルヒが

うるさい

の一言で片付けてしまうありさまは、現実への諦め」を常識的に振る舞うことでなんとか心の隅に追いやろうとしているわたしたちの心に真っすぐに突き刺さってくる。

個人的に面白いと感じたのは、重要なキャラクタである図書館少女、長門有希(ながと ゆき)が後半、主人公を助けるときに発した

SELECTシリアルコードFROMデータベースWHEREコードデータORDER BY攻性情報戦闘HAVINGターミネートモード」

のセリフ。これはコンピュータのデータベースを勉強したことがある人ならニヤリとするであろうSQL言語(データを操作するプログラミング言語の一種)がそのまんま出てきている。(けっこうSQL言語の文法的にも正しいのでより一層笑える!)

主人公を惑わす(というか主人公は実は惑わされたいのではないか?)涼宮ハルヒの

宇宙人、もしくはそれに準じるなにかね.....そっちの方が面白いじゃないの!

に対して、主人公が言う。

「俺だってハルヒの意見に否はない。転校生の美少女が実は宇宙人と地球人のハーフであったりして欲しい。今、近くの席から俺とハルヒをチラチラうかがっているアホの谷口の正体が未来からきた調査員かなにかであったりしたらとても面白いとおもうし、やはりこっちを向いてなぜか微笑んでいる朝倉涼子が超能力者だったら学園生活はもうちょっと楽しくなると思う

きっとわたしたちは一体全体そうなのだ。

本書は角川スニーカー文庫から既に全11巻として世に出ている。
わたしが購入したのは、2019年の1月に角川文庫から改めて出版されたものだ。角川文庫と言えば、松本清張江戸川乱歩小松左京などの大御所も出版されている書籍文庫だ。「涼宮ハルヒの憂鬱」がここに並ぶのは非常に爽快だ。しかるに涼宮ハルヒをライトノベルの類と言って敬遠してしまうのはもったいない。

子どもの頃の気持ち、宇宙人や未来からの使者なんかにワクワクした気持ちを忘れかけつつあったわたしに、またあの頃の気持ちを思い出させてくれた意味で、本書...いや、ハルヒキョンたちに感謝したい。

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