「悲しいときー。バイバイしようとしてふり返ったらもうだれもいなかったとき」などと1人が叫んだあと、もう1人がスケッチブックに描いた絵を見せつつ同じセリフを叫ぶ、というシンプルな芸が《いつもここから》のデビューネタだった。
本書は、著者はお笑いコンビ《いつもここから》のお笑いネタを本にしたものである。
まず絵がうまい。あと、絵のアングルが秀逸なのだ。
わたしは買った本を割とすぐに処分してしまうたちなのだが、この本はずっと我が家の書棚に残っている。今みても十分面白いので手放したくないのだ。
わたしが好きなネタは、
悲しいときー
家に遊びに来た友だちがじゅうたんで手をふいていたとき
悲しいときー
みんなにお菓子を配ろうとしたら みんなにいらないって言われたとき
悲しいときー
配っているティッシュを自分だけもらえなかったとき
あたりか。その他のネタと絵ももほとんど好きだが。
実は本書の巻末には、お笑いネタではない本格的な漫画が掲載されている。
タイトルは、「HIMAO(ヒマオ)」。これも十分に秀逸だ。
本書の絵はコンビの1人である菊池秀規が描いている。
漫画家になりたかったとあとがきにあるのもうなずける。
ネタの最後はいつも「悲しいときー。夕日が沈んだときー」で終わる。
この終わり方が大好きだ。
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