本の感想:ハーフサイズカメラ遊楽

面白かった本(その他)

ハーフサイズカメラ遊楽
飯田鉄/良心堂(著)

ハーフサイズカメラ遊楽 (エイ文庫)

オリンパスペンやキャノンデミ、リコーオートハーフ。今となっては中古のカメラ屋さんでしか手に入らないかわいいハーフサイズカメラ達をカラー写真付きで紹介した本。

フィルムカメラは、もう時代遅れだ。
ひねくれ者のわたしでも、さすがにフィルムカメラなど使わない、と言いたいところだが、やっぱりわたしはひねくれ者なので、フィルムカメラを使っている。しかもただのフィルムカメラではない。
35mmフィルム(通常売っているフィルム。まあ、近頃はカメラ屋さんでしか売っているところを見ないが)は、デジカメとは違いフィルム一本の撮影枚数が多くても36枚と少ない。しかし、ハーフサイズカメラを使うと同じフィルムでも倍の枚数が撮影できるのだ。12枚撮りフィルムだと24枚。24枚撮りだと48枚。36枚撮りなら72枚といったふうに。要するにお得なフィルムカメラなのだ。
当然普通のフィルムカメラだと1枚分を半分にして使うので、撮影画質は落ちるのだが、いやどうしてかなりいい写りをしてくれる。L版での撮影だとまったくわからない。でも、わたしが好きなのは、デジカメにはない「味のある写真が撮れる」ということだろうか。
デジカメは常にきれいな写真が撮れる。かなりつまらない。予想していない写真が撮れるフィルムカメラはわくわく感がある。
ハーフサイズカメラは、小さくて形がかわいい。この形でデジカメを出したら売れるだろうなというデザインだと思う。
メーカーそれぞれに、使っているレンズにこだわりがあったり、撮影方法がピントから露出、シャッター速度までマニュアルだったりとカメラを持つ喜びが味わえる。しかもハーフサイズカメラのいいところは小さいながらも画質にこだわりがあるのだ。慣れてくると愛着がわいてくる。
わたしが持っているハーフサイズカメラのオリンパスペンSは、なぜか昔撮った写真のように写る。平成の時代にとったのに、まるで昭和の風景のような。
本書には、オリンパスペンSはじめ、キャノンデミ、リコーオートハーフEなどの操作マニュアルまで掲載されている。その時代のカタログや取り扱い説明書を見ているようだ。また、ハーフサイズカメラで撮影した写真もカラーで掲載されており、見ているだけでハーフサイズカメラが欲しくなってしまう構成だ。いつの間にか、どのカメラにしようかな、と考えている自分がいる。
1960年代のカメラだとしても、インターネットを使えば簡単に手に入る時代になった。
人とはちょっと違った趣味を持ちたいとか、あるいは、わたしのようにひねくれ者であるなら、本書を片手にハーフサイズカメラで遊ぶのも楽しいかもしれない。

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