本の感想:「また、必ず会おう」と誰もが言った。

読んだ本

「また、必ず会おう」と誰もが言った。
喜多川 泰(著)

本の帯には「こんな泣ける本はない!」との紹介文。
あまり期待せずに手に取った。
ひたちなか市にある然々というブックカフェで食事した際、目の前にこの本があり、食事がくるまでの間、途中まで読んでいた。結末が気になってしまったので購入して家に帰った読んでみた。

主人公の高校生が友達についたある嘘がきっかけで博多から東京ディズニーランドまで行くことになる。
ところがディズニーランドのからの帰り道、バスが渋滞に巻き込まれ帰りの飛行機に乗り遅れてしまう。チケットの払い戻しはきかず、手持ちのお金では博多まではとても帰ることが出来ない。
困り果てた主人公だが、いくつかの偶然の出会いを経て、5日目にようやく自宅に帰りつく事ができる。

主人公少年の5日間での成長と心温まる旅を描いた作品だ。
確かに泣ける部分はある。ただ主人公に手を差し伸べてくれる登場人物たちがやや都合良く登場しすぎやしないかと感じた。
会う人会う人が主人公にいい言葉を掛けてくれて、どれも心に染みる言葉ばかりだ。しかし、わたしにはどうも違和感が残った。一生のうちにこうした人たちに会った、というのなら納得するのだが、5日間でこんな分かりやすく納得できるような言葉を持つ「いい人」ばかりに出会うことはないだろう。(わたしが出会ったことがないだけなのかもしれないが…)

主人公が出会う人の中に警察官が一人登場する。
この方も「いい人」なのだが、冷静に考えると未成年者を保護した場合の警察官の行動としてはあまりにも奇妙な行動だ。物語でのこの警察官は、職務を全うしていない。

1,2時間で泣ける本(あるいは感動できる本)に出会いたい方には「いい本」かもしれない。

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