「スマホが学力を破壊する」/川島隆太 集英社新書
ニンテンドーDSの「脳トレ」シリーズの監修を務めた著者川島隆太氏の新書。
印象に残った箇所
ITを使ったときの脳の前頭前野の動きについて
・文書を書く際、IT機器(パソコンやスマートフォン)を使って書く場合は、脳の前頭前野が働かなくなり、手書きで書く場合、脳の前頭前野は活発に働く。
・人との会話でも、対面で話す時は前頭前野が活発に働くのに対し、テレビ電話で同じ人と会話しても前頭前野は働かなくなる。
・前頭前野の役割。人間の情報処理の中枢であり、思考の中枢。
・外部から入ってくる情報がまず脳の前頭前野に送られ、その意味や価値が判断され必要な行動が選択される。(下図)
前頭前野の「抑制現象」について
・スマホなどを使った際、脳の前頭前野の働きが抑えられる。その直後あるいは30分後に他の行動に移ったとしても前頭前野の働きが低下したままの状態が続く。(前頭前野の「抑制現象」と呼んでいる)
・だからスマホをいじった後、勉強しても脳の働きが低下したままのため、同じ時間勉強しても身につかない。
感想
ネットを長時間閲覧した後は、何かしようという気がおきない。その理由が書いてあったように思う。
本書は今のネット社会やIT機器を使う人々の生活スタイルへの警鐘であるが、この生活の行きつく先はまだ誰も体験したことのない未来のため予想がつかない。
スマホやパソコンを使っている時だけ脳の働きが低下するのではなく、その後もしばらく脳の働きが低下し続ける、という点は運動と同じ気がした。汗を流した後、しばらく体が動けないことに似ている。
運動の場合なら、しばらく筋肉痛になったり動けなくなるが、その後筋肉がつくというメリットもある。実はネット閲覧して脳の働きが低下した後、なんらかのメリットがあったら面白いのではないか、と思う。例えば筋肉が増加するような感じで、脳の一部の機能がパワーアップしたりとか。(希望)
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