デルトラ・クエスト2〈2〉幻想の島
エミリー・ロッダ(著)
うその暮らし、現実の生活がいやで、現実逃避をしている人は、わたしを含め多いと思います。
ただそれは現代病というか、豊かな国でのお話だと思います。
今日の食べ物にありつけない人も、広い世界にはいるからです。
毎日生きることが目的であれば、インターネットに逃げ込むよりも前に腹が減って死んでしまいます。
この巻では、
「うその暮らしはいやだ。きびしくても現実の世界に住みたい」と願う人々が出てきます。
いったい自分はどっちだろうか?
うその世界でも、きれいな楽しい世界がいいのか。それとも、きたなくてきびしい現実の世界の方がいいのか。
物語の舞台は幻想の島。
影の大王が嫌うピラの笛。かつては1つの笛だったが、影の大王の策略によって、3つに分かれてしまう。
主人公リーフは、仲間とともに、影の王国に連れされれた仲間達を取り戻すため、ピラの笛が眠る2つ目の島、幻想の島へと向かう。
幻想の島はドームに覆われていて、その中は美しいものだけが魔法によって存在しています。
ドームに住む人たちは、「美しくないもの」をすべて排除しています。
「死」すら認めようとしません。
どこか現代の日本に似ている気がします。
老いを消して、見た目を気にしている人や外見だけの商品が世間にあふれています。
印象に残った言葉
「子どもたちは、うそでかためられた環境では育ちにくいものじゃよ。子どもは生命力が旺盛で、がまんということをしらない。しかも、わからないことがあれば、どうして、なぜと、うるさく質問する」
嘘で塗りかためられた「幻想の島」を出ようとする人たちと「幻想の島」に残ろうとする人たちが、お互いに分かり合えないのは、価値観が違うからだけなのでしょうか?
わたしは「幻想の島」を見たことがあります。
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