物事を1から10まで説明しないと理解できない学生がいる。
こちらが手順を全て伝えて、課題が出来たとする。
すこし状況を変え(数学なら値を変えて)違う課題を出すと「分かりません。教えてください」となってしまうような学生だ。
自分で考えることを放棄してしまったかのようだ。
わたしがコンピュータの講師になった20年前は、そのような学生は「応用が利かない」というレッテルを張られていたように思う。
そうした「応用が利かない」学生は、1クラス20人いたら3人か4人はいた。
最近では、そうした学生は、1クラスに7,8人いるようになった。いやもっといるかもしれない。
何せ考える前に検索してしまう世代なので、「自ら考える」という行為自体、少なくなった。
自ら考えなくとも、現代ではネット検索で補うことが可能なため、ある程度成績が普通の学生でも実際はイレギュラーなことに対処できない者も多い。
コンピュータが身の回りにあふれかえった現代では、コンピュータに接する時間も増えた。
人々の振る舞いもコンピュータに似てきたのだろうか。
過去に「応用が利かない」と言われていた人は、ネット検索が使える現代では、自分で考えることがより一層少なくなって「コンピュータのように1から10まで手順を伝えれば動く」ようになったのだと最近では思うようになった。
コンピュータのように学び、コンピュータのように働いて、コンピュータのように死んでいく。
だとしたら、人の気持ちが分からない人が増えるのも無理がない気がする。
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