フランスの歴史人口学者であるエマニュエル・トッドが「老人支配国家日本の危機」という本でこう述べている。
「経済統計」は嘘をつきますが、「人口統計」は嘘をつきません。
『老人支配国家日本の危機』より
「人口統計」とりわけ「出生率」や「死亡率」を見ていくとその国の行方が見えてくる。未来が見えてくるという意味だ。
この本では、とりわけ新型コロナに対する視点が面白かった。
新型コロナによる各国の死亡率は、当然のことながら違う。その違いについてエマニュエル・トッドは、「個人主義的」で「女性の地位が高い」国で死亡率が高く、「権威主義的」で「女性の地位が低い」国は、死亡率が低いと指摘している。
つまり英米仏など欧米で死亡率が高く、日独韓などでは死亡率が低い。
この事実が喜ぶべきことなのかわたしには分からない。一つ言えることは、全てを満たす答えは存在しないということだ。
気になるのは、新型コロナの死亡率が低いとされている日独韓はいずれも出生率も低いということだ。死亡する人より生まれてくる赤ちゃんの方が少なければ、その種はほろびるとは小学生でもわかる話だ。
社会構造を変え、世の中を変えてゆけば、その国の行方も変わる。
でもそんな大そうな事をわたしは出来そうにない。
まず出来る事。
「自分さえよければ」という考えを捨て去ることかな、と思っている。
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