電子書籍の明るい未来

日本では紙の本が1000年以上昔に作られていたという。
わたしが持っている本で一番古い本は、昭和45年に発行された『我が輩は猫である』で、40年以上も昔の本になる。
長きにわたり、情報を世に知らしめるという目的からすれば、紙の本はその目的を達成した。
電子書籍の目的は何か。
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【写真/2012年7月28日 日本近代文学館昭和45年10月20日発行の『吾輩は猫である』】


2012年の8月末頃から米アマゾン社は日本での電子書籍配信サービスを開始するというニュースが新聞記事にあった。
アメリカでは一歩先に電子書籍が普及している。
日本だといまだに「電子書籍の端末はどの機種が…」といったハードウエアの話になってしまうところがいつもながら遅れていると思ってしまう。
電子書籍を英語で言うと「electronic book」。要するに電気がないと見ることができない本だ。
わたしの家で使っている家電製品の一番古いものは昭和の東芝扇風機で、昭和45年頃の製品だ。
家電製品で40年も持てば良い方だ。この扇風機はコードがボロボロになったため一度修理して使っている。
電子書籍端末だと40年後に修理や不可能だろう。もちろん別の媒体が普及するので電子書籍データが読めなくなることは無いと思うし、紙のような材質の電子書籍端末が出てくる可能性もあるが、どちらにしても紙の本のように「かさばる」電子書籍端末は絶対に発売されない。
図書館の本が電子書籍端末になったことを想像してみる。
まず本棚が必要ない。
ディスプレイや電子書籍端末がたくさん並んでいるのだろうか。
借りる時はどうするのだろうか。
そもそも、電子データなのでインターネット上で借りることが出来ればいいため、図書館が存在する必要もない。
物理的に本として借りているとたまに期日までに「返し忘れる」ことがあるが、これも期日がくれば電子データが読めなくなるだけなので延滞はありえない。
デジタルのいいのところはきっちりとしているところだ。
0と1の世界は間違いを許さない。
借りた本のページが破れたり汚れたりしていることもない。
逆のことを言えば、電子書籍の本のページは破ることもコーヒーをこぼしたり汚すことも出来ないということだ。
電子書籍の未来は明るいと言えよう。
しかし、電子書籍やデジタルがもたらす生活は、わたしたちの公共心や生き方の根底を便利に変えていくが、時代をなめす働きはもっていない。

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