詩:忘れた記憶

人生の航路を踏み出してからの君は、もしかすると誰からも祝福されることがないかもしれない。
どうせ私なんて、と考える日もあるだろう。

しかし、
人は少なくとも一回は、大勢の人に祝福される。
それは、生まれたときだ。

君は、祝福されこの世に生をうけた。
然るに、君には、そのときの記憶がない。

もし道で小さい赤ん坊を見かけたら、その父親と母親の顔を見て欲しい。

なぜならそれは、君の記憶にはない父親と母親の顔だからだ。

長崎瞬哉

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