北は北海道から南は沖縄まで日本全国58の川を訪れ、著者の渡辺一夫さんが採取し足で調べた「石ころ」の図鑑だ。
川原の石ころ図鑑
渡辺一夫(著)
近くを流れる那珂川(茨城県)の川原でいくつか面白い石を拾った。
普段なら気づかずに通り過ぎてしまうが、石ころを拾ったあとだけに目について読んでみた本だ。
全国の川毎に、著者が見つけた石を写真付きで石の特長、その石がどんな鉱物で成り立っているかを紹介している。
例えば、
北海道の十勝川では、十勝石(とかちいし)と呼ばれる黒曜石を拾うことができる。
阿武隈川では赤みを帯びた石が多い。
チャートと呼ばれる石は固くカッターでも傷つかない。
などなど。
まずは住んでいるところの近くの川を調べてみたくなる。
実際に本書を使って、わたしが那賀川で拾った川原の石を調べてみたものが以下である。
左:アプライト(火成岩)カリ長石が多いのでピンクがかっている
形が面白い。息子が「一つ目小僧みつけたよ」と言っていた。
右:玄武岩(火成岩)
石の表面に無数の穴。この穴はマグマが固まるときにガスが抜けてできたものらしい。
左:けつ岩(堆積岩)白い線が通っているように見える部分は石英。
白い線がきまっている石だ。
右:砂岩(堆積岩)水切り遊びにちょうどいい平べったい石。
わたしにはこの石が「バーバパパ」に見えた。顔を描こうと思う。
左右とも:安山岩(火成岩)
まっぷたつに割れた状態で見つけた。
うっすらとピンクがかった部分はカリ長石。白い石英も混じっている。
一つにピッタリと合うところがいい。
左:けつ岩(堆積岩)
はがれやすい泥岩が固さをましたもの。真っすぐにヒビがはいっていて魚のエラのようだった。
右:チャート(堆積岩)
固い石である。ピンクはカリ長石。白い部分は石英。黒い部分は炭質物。
グラデーションが綺麗なため持ち帰った。
いづれも20〜30分ほど川原の石をみていて見つけた石だ。
今までわたしは、川原の石ころに図鑑があるとは知らなかった。
ある意味、本書は実用書なのだと思う。
本当に世の中には色々な本があるものだ。自分が思いつかないことを世の中の人は教えてくれる。
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