他人だったのに
糸井重里(著)
どの頁をめくっても「そういう見方もあったのか?」という驚きがある。
この一冊で糸井重里の凄さがわかる本。
短い文がちりばめられた本なので、どの頁から読んでも問題なく、むしろそういった読み方を想定して作られている。
いきなり、
ありがとうは乱反射する
『他人だったのに』より
のような名言があったり、写真に気の利いた言葉が添えられていたりする。
必ずお気に入りの言葉や文に出会えるはずだ。
ちなみにわたしの好きな頁。(「何から進化した人か」と「仕事のうち」)
短い文章のオンパレードなのに目次がきちんとあるので笑ってしまう。
もはや辞書みたいだが、どれも気になる言葉を目次にしているあたりはコピーライターのなせる技か。
糸井重里といえば、コピーライターのイメージが強い。
だけどこの本を手に取ってみると総合プロデューサーなんだとつくづく思う。
本を手にすればわかる。本を手に取ってもらうための質感や手触りを意識した作りになっている。
「頁の外側が染めてあったり、角が丸まっていたり、表紙は保護加工をあえてせず経年劣化による風合い楽しむ作りになっている」と本書の最後に書いてあった。(実はわたしもこの緑ががかった頁の外色で思わず手に取ってしまった!)
電子書籍では味わえないしかけだろう。
いつだったか糸井重里が「いいね!されるだけじゃ駄目なんです。ショートケーキに苺がのっているから人は買うんです」といっていた言葉を思い出した。
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