父に電話して少し話した。
父は、電話を切る前に「情けねぇ人生だ。笑っちゃうよ。おやすみ!」と言った。
父は今、ガンで病院にいる。
医者も、手は尽くしました、と緩和医療の病院をすすめてくれた。
今日の父はいつになく弱気で「もうそろそろかなぁ。なんとなく分かるんだよ」とつぶやいた。
自分の死期が近づくと自分でなんとなく分かるのだろうか。今のわたしには、正直分からない。
父の人生が父の言うように「情けねぇ」かどうかは別として、わたしは最近聞いた「うちのお父さん」という歌が頭に浮かんだ。
今はもうない実家の庭を思い出した。
わたしの中での歌詞は、
「春になれば、
ボタン桜が 庭に咲きます お父さん
にっこりわらう にっこりわらう
あした 元気になあれ」
だった。
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