景色の変化がほとんどない道を車のハンドル操作もなく運転しつづけると眠くなるものだ。
それは、実家に帰省しようとしていたときのこと。
夜間、わたしは高速道路を運転していた。
トンネルに差し掛かかった。
オレンジ色した外灯に照らされた二車線の道路の中央は、白い破線が延々と続続いている。
いつの間にか、それまで見ていた白い破線だったものが、向こうからぴょんぴょん飛び跳ねてくる白いウサギに見えていた。
1匹、2匹、3匹….いったい何匹続くのかなあ?
ハッとして我に返った。
どうやら眠りかけていたらしい。
わたしは100キロを超える速度で車を運転しながら、あらぬ夢を見ていたのだった。
車を運転していて、あの時ほど怖かったことはない。
催眠術ってこんなものかなあ、と思った。
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