つみつみニャー
長 新太(著)
想像力のある本です。
本をよく読むお子さんであれば、小学校1、2年くらいから読めると思います。
もちろん高学年でもわたしのような大人が読んでも面白い本です。
作者の長新太さんを絵本「キャベツくん」でご存知の方も多いと思います。
絵とタイトルを見て、わたしは、すぐに長新太さんの作品だなぁと思いました。
それ位、この作者の作品は何か共通のものが感じられるということかもしれません。
「キャベツくん」をご存知でない方に少し紹介します。
絵本「キャベツくん」は、あたまがキャベツで、その名の通りのキャラクタ「キャベツくん」が道でばったり「ブタヤマ」さんと出会う話です。
「ブタヤマ」さんも見た目は豚で分かり易いです。
ふたりがばったり出会ったあとは、絵本をみてのお楽しみなので詳しくは言えませんが、「えっ、そんなことあるの?」とか「それはやり過ぎじゃ」と思うような想像力のある情景が次から次へと出てきます。
「ブタヤマ」さんが驚くときに発する「ブキャッ」も印象に残り、誰かに見せたくなる本です。
この「つみつみにゃー」は、絵本ではありませんが、挿絵は作者の長新太の手によるものです。
おかあさんが留守の日、おとうさんが朝食を主人公の「ぼく」のために作ろうとします。
おとうさんは目が悪いので、卵と間違ってフライパンに「積み木」を入れてしまいます。
そんな事あるわけない、と思うのですが、「ぼく」は「面白いから」と黙ってみています。
ついに、おとうさんが気づいて発する言葉が、「この卵はくさっている!」なのです。
「積み木」がテーマの本ですので、このフライパンのアクシデントの後も積み木が登場するのですが、登場の仕方が笑ってしまう位、想像力が豊かなのです。
あとがきで作者は、こんなことを言っています。
いい言葉なので書いておきます。
絵と文の関係は、まんじゅうのあんこと皮の関係に似ています。
どちらが主でどちらが従ということはないのです。
どちらか一方が強すぎてもいけないし、弱すぎてもいけないのです。
このバランスが大事なのです。
この関係を知ろうとするなら、まんじゅうで言えば100個は食べないといけませんが、
わたしはまだ、3個くらいしか食べてないので、偉そうなことは言えないのです。
世の中の、色々なことにあてはまりそうです。
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