わたしの場合、下側左右の親知らずは埋没して水平に生えていたらしく歯の先が全く見えていないためその存在を忘れていた。(人によっては少し歯の頭が見えていたり斜めに生えていたりするらしいが)
これは2本の親知らずを全身麻酔で抜いた時の話。
親知らずの抜歯手術に掛かった費用
どこの病院のサイトにも書いてないと思われるのでまずは掛かった費用から。
手術前の検査と合わせて約7万円掛かった。保険が効いてこの値段だからけっこう掛かる。
手術前の検査
CT画像とHIV検査 | 10000円 |
PCR検査 | 0円 |
抜歯手術
手術料(抜歯2本) | 7600円 |
麻酔料(全身麻酔) | 25000円 |
入院料(1泊2日) | 24000円 |
その他 | 5000円 |
内訳をみると分かるが、手術料よりも全身麻酔や入院料が費用の大半を占めていた。
コロナ禍の中、PCR検査は必須のようだったが、代金は掛かっていない。(おかげで陰性であることが証明された)
最初の予兆
ある朝、左下奥歯の歯茎に炎症が起きて腫れていた。
夜になると熱も出てきてあまりにも辛いので翌日歯医者に行くと
とりあえず切開して膿を出しておきます
という事で痛み止めの薬をもらってなんとか治った。
その際、医者の話では
親知らずと奥歯の間に隙間ができていて歯磨きしてもとれない形になっています
親知らずが水平に生えていて隣の奥歯を圧迫しているようです
との事。更に続けて言うには
一度親知らずが原因で炎症が起きるとこの先も同じ症状が出やすくなるんですよ
どうすればいいですか?とわたしが聞くと
抜いたほうがいいかもしれませんね
手術は大きい病院じゃないと出来ないので紹介状書いておきます
その時は、左右の親知らずを抜くとは考えていなかった。
紹介状をもらった病院で親知らずの状況を聞く
また同じように膿がたまって高熱が出たりしたら嫌だったので、早速紹介してもらった病院に行った。
歯茎が腫れたことはこれまでにも度々あった。
ただ、今回は腫れただけでなく熱も出て夜眠れないくらいになったこともありわたしは親知らずを抜いてもらう気持ちで病院に向かったのだ。
脳に近い部分が熱を持つと本当に辛い。考えられなくなる。視力も落ちて本を読む気もしなくなった。
診断の結果は、
左右どちらも水平に親知らずが生えていて埋没して見えない
左右とも隣の奥歯を圧迫しており、どちらにも膿が溜まっている
との事だった。
今までも、時々口の中が変な味がすることがあり年齢のせいだろうと思っていたのだが違ったようだ。普段から膿んでいたのだ。
片方だけのつもりが「2本とも抜いた方が良いでしょう」ということになり、下の左右の親知らずを抜歯する手術をお願いすることにした。
全身麻酔による抜歯の手術
今回の場合、局所麻酔は現実的でないということで全身麻酔を選択。そのため1泊2日の入院付き抜歯となった。
全身麻酔はわたしはこれが初めての経験だったが、気づいたら手術が終わっていたという感じ。
手術前の検査(1日)と手術と入院を含めた1泊2日の工程は以下の通り。
- 手術前の検査CT撮影、血液検査
- 提出書類の準備手術入院のための連帯保証人の依頼
他にも麻酔説明書、手術同意書やHIV検査同意書など4枚ほど提出書類があった
- コロナ対策PCR検査
唾液を提出。陽性の場合のみ連絡が入る形。運よく陰性だったようだ
- 前日夜~当日食事なし
食事は前の日の晩から当日手術前まで禁食
水分は当日9時までなら少量に限り可能だった - 当日手術前病衣に着替えて点滴を開始
- 手術中酸素吸入をつけ、全身麻酔、抜歯の手術
「全身麻酔を差しますねー」と言われてからいつ意識がなくなったか分からなかった
「〇〇さん、終わりましたよー」と言われて気づいたら手術が終わっていた - 手術後3時間ほど安静
ベッドで寝ているだけだったが、この時間が凄く辛かった
頭は痛いし、点滴で身動きがあまり取れないし気分もよくない。そして一番驚いたのは、下唇から下あごにかけて感覚がほとんどなくなっていた事。これは麻酔の影響だと事前に聞いてはいたが、このままずっとこんな感じだったらどうしようかと不安になった
その間、血圧や体温を看護師の方が3回くらいチェック - 手術後3時間経過食事や水分補給の許可が下りる
夕食はおかゆや柔らかいおかず中心だった。少し奥歯に触れると激痛で涙がでそうになった。食事をしていない時は痛みは全くない
その後、歯磨きをしたが口から血や肉片が大量に出てきた。精神的に参る
更に精神的に参った事は顔の腫れ。顔のえらの辺りが異様に腫れて、顔が真四角で食パンマンじゃん、というくらい別人になっていた! - 翌日午前中主治医の問診と抜歯箇所の消毒、点滴(抗菌剤)をして退院
この日の食事は前日より痛みはない。しかし歯磨きやうがいをすると血が出る
点滴での痛み止めが効いているためか抜歯した部分に痛みはない。 - 翌日夕方食事後に薬を飲む
処方された抗菌薬、ロキソニン(痛み止め)、胃薬を飲む
このころには口から血が出ることは無くなったが、顔はさらに腫れた
顔の腫れはどれ位で直るか?
主治医の話では顔の腫れは術後3日目くらいがピークとのこと。(これは実際に本当だった)
ちょうど応対してくれた看護師の方も親知らずを抜いた経験があって話をしてくれたのだが、その方は局所麻酔を3本打って親知らず3本を抜いたらしい。顔が1週間から10日ほどパンパンに腫れたとの事だった。(恐ろしい)
わたしの場合、元の顔の輪郭に戻るまで約2週間(14日間)掛かった。
詳しい経過をいかに示しておく。
術後の経過
経過日数 | 症状 | 処方薬等 |
---|---|---|
1日目(手術当日) | 顔が真四角に近い状態に腫れあがった。 食事ではおかゆくらいしか食べられない。 口に何か含むと超痛いため食べることが苦痛。 口の中に常に血が混じっている。 歯磨きと食事が辛い。歯磨きをすると必ず血が出る。 歯磨きと食事以外では薬が効いているためかさほど辛くない。 顔の下半分に熱がある。 | ・抗生薬(セフカペンポボキシル塩酸塩錠100mg)朝昼晩 ・痛み止め(ロキソプロフェンNa錠60mg)朝昼晩 ・胃の粘膜保護(レバイピド錠100mg)痛み止めを同時に服用 ・毎食後と就寝前にうがい薬(ポピヨドンガーグル7%)でうがい |
2日目 | 症状は前日と変わらず。 顔は前日よりやや腫れた。 相変わらずおかゆ。 | 同上 |
3日目 | 症状は変わらず。 顔の腫れが最大となる。(正直知っている人が見たら「誰」となるレベル。 | 同上 |
4日目 | 症状は変わらず。(あまりに症状が変わらないので、このまま治らないのではないかと不安になる) この日痛みがあまりなかったので、朝と昼の痛み止めを辞めてみた。 しかし夕食時になると痛み出して結局また飲むことになった。 | ・抗生薬は3日分だったため終了。 ・痛み止め(ロキソプロフェンNa錠60mg)晩のみ服用 ・胃の粘膜保護(レバイピド錠100mg)痛み止めを同時に服用 ・毎食後と就寝前にうがい薬(ポピヨドンガーグル7%)でうがい |
5日目 | いい加減おかゆや柔らかい食事にも飽きてきた。 ステーキとか肉が食べたい。 この日から痛み止めを飲んでも患部が重く感じ夜寝ることができなくなった。 口の中に茶色の粘液があってうがいで吐き出すとき臭いと感じる。 抗生薬が切れたからか、あらためて炎症が起きている感じがする。 | ・痛み止め(ロキソプロフェンNa錠60mg)朝昼晩 ・胃の粘膜保護(レバイピド錠100mg)痛み止めを同時に服用 ・毎食後と就寝前にうがい薬(ポピヨドンガーグル7%)でうがい |
6日目 | 前日と症状が変わらず。 視力が著しく落ちた。 集中力がない。 家族に口が臭いと言われた。 | ・痛み止め(ロキソプロフェンNa錠60mg)昼晩のみ(痛み止めが7日分だったため、朝だけ飲むのを辞めた) ・胃の粘膜保護(レバイピド錠100mg)痛み止めを同時に服用 ・毎食後と就寝前にうがい薬(ポピヨドンガーグル7%)でうがい |
7日目 | 前日と症状が変わらず。 痛み止めがあまり効かない。 顔の腫れは左側がほぼ変わらず、右側は少し引いてきている。 | 同上 |
8日目 | 口の中に茶色い粘液があるのは変わらないが、夜は痛みが和らぎ、なんとか寝ることができた。 | 同上 |
9日目(診察日) | 病院で口の中を消毒。 主治医の話では順調とのこと。 抗生薬を3日分と痛み止めを7日分処方された。 相変わらず茶色い粘液が出るが、大分かたいもの(と言っても普通のごはんとかだが)食べられるようになってきた。 | ・抗生薬(セフカペンポボキシル塩酸塩錠100mg)朝昼晩 ・痛み止め(ロキソプロフェンNa錠60mg)朝昼晩 ・胃の粘膜保護(レバイピド錠100mg)痛み止めを同時に服用 ・毎食後と就寝前にうがい薬(ポピヨドンガーグル7%)でうがい |
10日目 | 抗生薬が効いているのか、薬の安心感からなのか大分痛みや頭の重さがなくなり元気になってきた。 食事は普通に戻した。 | 同上 |
11日目 | 顔の輪郭がほぼ元に戻った。 口を大きく開けると違和感があるが、それでも以前は口を大きく開けることができなかった。 うがいを強めにしても血が出なくなってきた。 | 同上 |
12日目 | 歯ブラシを抜歯箇所に充てても痛みはなく血も出なくなった。 普通にうがいが出来るようになった。 痛みはなく視力も回復してきた。 | ・痛み止め(ロキソプロフェンNa錠60mg)晩のみ服用 ・胃の粘膜保護(レバイピド錠100mg)痛み止めを同時に服用 ・毎食後と就寝前にうがい薬(ポピヨドンガーグル7%)でうがい |
13日目 | 痛み止めが必要なくなった。 うがいは継続している。 | ・毎食後と就寝前にうがい薬(ポピヨドンガーグル7%)でうがい |
14日目 | 前日と変わらず。 顔の腫れが消えたと感じる。 | 同上 |
ただし2週間で痛みや顔の腫れは治ったが、まだ歯茎に治療痕(歯が抜けた場所にあるポケット)がのこっていて歯磨きしても食べ物が溜まってしまうことがあるので完全に治ったとは言えない。(これはもう少し様子見が必要)
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