本の感想:世界で一番の贈りもの

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世界で一番の贈りもの
マイケル・モーパーゴ(著)
マイケル・フォアマン(画)

世界で一番の贈りもの

いとしいコニーへ

と始まる手紙には、夫から妻に宛てた戦線での不思議な出来事がつづられていた。
訳者の佐藤見果夢(さとうみかむ)さんのあとがきには、この1914年の西部戦線でおきたクリスマスの休戦について軍の公式記録は存在しない、とある。しかし、この1914年のクリスマスの出来事にはたくさんのエピソードが伝説的に語られている、とも。

大人が読んでも面白い心温まる絵本。
1914年のクリスマス。
イギリス軍とドイツ軍が向き合う西部戦線のまっただ中での話だ。
主人公が、がらくた屋で購入したロールトップデスク(引き出しを引くと机の上の蛇腹のふたが開いて、使うことができるようになるアンティーク調の机)の中に隠されていた手紙から話が始まる。

この絵本を読んだ後、わたしは故大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス」を思い出した。
ビートたけし演じる軍曹が最後に言った言葉、

「メリークリスマス!ミスターローレンス」

を思い出したのだ。

「敵と味方」どちらに対しても尊敬の念をいだくという意味において、この「世界で一番の贈りもの」は、映画「戦場のメリークリスマス」と同様の空気を有している。

国と国が戦争して、傷つくのは人間である、ということ。
そして、戦争をしたい人間などどこにもいない、ということを。

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