映画の感想:ダンスウィズミー

好きなもの

期待値0(大変失礼!)で見に行った映画が実は最高に面白かった。
この映画、後々の日本映画史に残る作品ではないかと個人的には思ってしまった。
一言で感想を述べるなら、「爆笑しつつも、登場人物と一緒に踊り出したくなる」映画だ。

主人公の静香(三吉彩花)が劇中で放つセリフ

「ミュージカルって、さっきまで普通にしゃべっていた人がいきなり歌って踊りだすって変じゃない?」

はズバリ初めてミュージカルに接した人が持つ率直な感想ではないだろうか。ミュージカルを主人公の治したい体質として描いているところが、この映画の斬新さだろう。

ストーリー

ストーリーはいたって簡単。

演じる主人公の静香(三吉彩花)は、一流の商社OL。同僚OL達とは、あこがれのエリート社員村上(三浦貴大)の話題でもちきりだ。(しかし、この三浦演じる村上がまたインチキ臭くてよい。映画の中ではモテる設定だが、普通にいればこんなやつモテないだろうとツッコミを入れたくなるところがまた良い!)

ある日、静香の姉が1日だけ預かってと小学生の姪をつれてくる。
仕方なしに姪と行った遊園地で、かつてはテレビ番組も持っていたが、現在は落ちぶれてしまった催眠術師マーチン上田(宝田 明)に会う。(この宝田明の演技もインチキ臭さ全開で笑える)
姪は小学校の出し物でミュージカルをすることになっているのだが、どうも練習が皆より遅れているらしい。それを催眠術でうまくなるようにとマーチン上田に頼むのだが、なぜか隣にいた静香にその催眠術がかかってしまうのだ。

静香がかかってしまった催眠術とは「音楽を聴くと自然に身体が歌って踊りだす」というもの。翌日、出社した静香は大事な会議の席で流れ出したプレゼンテーションの音楽に反応して、会議中に突然踊りだしてしまう。催眠術を解いてもらおうと再度遊園地の催眠術師マーチン上田を訪問するが、マーチン上田は借金をかかえていたらしく、失踪した後だった。

ダンスウィズミーの必見ポイント

映画の流れとしては、主人公の静香が「音楽を聴くと突然踊り出す」という催眠術を解くために、催眠術師マーチン上田の元助手千絵(やしろ優)とともに珍道中を繰り広げるというもの。

行く先々で出会う人たちがどことなく嘘くさくそれだけで見ていて笑える。冒頭に催眠術師マーチン上田がかつて人気だった頃のテレビショーが流れるのだが、この手のバラエティー番組を面白可笑しく茶化しているようでいい。(ここ最初の爆笑ポイント!)

静香がマーチン上田の捜索を依頼する探偵事務所の調査員渡辺役にムロツヨシ
静香と千絵の珍道中の最中に出会うわけありなストリートミュージシャン洋子役にchay。と個性あふれる面々がこのミュージカル(?!)映画を盛り上げてくれる。

更に盛り上げ要素としては、静香(三吉彩花)千絵(やしろ優)らのダンスの上手さ。
かなり練習積んだのかなあ、と思わせる本格的な動きをコミカルに演じている。

見ていると実際にミュージカル映画なのだが、ミュージカル然としている訳ではなく、こういう感じのミュージカル映画があっても良いのでは?という矢口史靖監督の考えが隋所に反映されているような気がする。ミュージカルってどこか作品側が見る人を選ぶ感じがあるが、「ダンスウィズミー」に限って言えば、庶民の場所に降りてきたミュージカルと言えるかもしれない。

劇中の曲の分かりやすさ

ミュージカルっぽい曲ではなく、分かりやすい曲が使われているのが本作の特長だ。
特に日本人なら聞いたことあるという安心感がある。

日本・海外の歴代の『いい歌』が静香たちのダンスとともに登場するのも必見だ。
昭和生まれだと良く知っている曲が多いが、知らない世代からすると新鮮な曲に聞こえるかも。

特にシュガーのヒット曲「ウェディングベル」は、この映画の為に作られたのではないかと思える程のぴったり度。(個人的には一番の大爆笑ポイント!

とりあえず映画で使われた曲を分かる範囲で列挙しておく。

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  • Tonight (星の降る夜に)
  • Act Show
  • Happy Valley
  • Light & Shadow
  • 狙いうち
  • 夢の中へ
  • 年下の男の子
  • ウエディング・ベル
  • タイムマシンにおねがい
  • Stone with Wind

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まとめ

静香が最後にとる行動にわたしはスカッとした。

主人公静香には、小学校時代の辛い思い出があるのだが、皆が踊り出すエンディングでその辛い思い出も踊りとともに吹き飛んでいく。

もしこの映画が日本の映画でなかったとしてもわたしは満点をつけると思う
ジャンルはなんだろうか?ミュージカル?コメディー?群像劇?
いやいや、なんでもいいけどとにかく楽しかった。

実はこの映画、妻から見に行く?と誘われて行った映画だった。
最初あまり期待していなかっただけに妻に謝るとともに良い映画に出会えたことを感謝して終わりたい。(自分の趣味ばかりで行動していては世界は広がりませんね!

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