愛着のなせる技

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伊坂幸太郎の書いた小説『重力ピエロ』には、単行本の他に文庫本がある。
わたしは一度単行本でこの本を読んでいた。(本の感想:重力ピエロ)しかし、単行本にはわたしの好きな解説がない。
たまたま立ち寄った図書館に『重力ピエロ』の文庫本が置いてあった。他人はこの本をどう評価しているのかと思い、文庫本にある解説を読んでみた。

読んで驚いたのは、伊坂幸太郎は文庫本にする際、よく小説に手を加えるとの旨が書いてあったのだ。
わたしは今まで、単行本は新刊として出回り、ハードカバーかつ値段が高い、と単純に考えていた。文庫本に対しては、単行本の後に出版され、持ち運び便利、解説もつく、値段が安い、程度の知識しか持ち合わせていなかった。
わたしは今更ながら、小説家は、一度出版された小説に手を加えることもあるのだと知ったのだった。
実際に、『重力ピエロ』の文庫本には、単行本にはなかった<燃えるごみ>という章が追加されている。
追加された部分を読んでみた。
主人公の弟である春(はる)の真夜中の行動が書かれている。追加されたというのに全く違和感がなく収まっていた。
むしろ主人公と弟との関係が単行本のときより、読者にとってより理解しやすくなったと言えよう。

自分の作品に後から手を加える、というのは愛着のなせる技なのだと思う。
きっと作者にとっても思い入れがあるのだと思うし、そうした作品に触れることが出来るのは人生にとっていい経験であるに違いない。

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