とある上司とある部下の話

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長崎瞬哉(詩人)

これはとある国の上司と部下のお話である。

取引先への訪問編

舞台は地方都市。ある日、上司と部下が連れ立って出張に行くことになった。
なにやら重要な取引があるらしい。いわゆる取引先への営業活動というやつだ。
2人は車で取引先まで向かう。一般道だけでなく高速道路も使う道のりだ。さほど近い距離ではない。

高速道路は退屈だ。
2人は世間話に夢中になってしまった。あろう事か降りるべきインターを1つ乗り過ごしたのだ。
運転していたのは部下である。まあこれは部下の責任であろう。(上司も部下に一任し過ぎていたきらいはあるので責任ゼロとは言えまいが…)

高速道路を降り、スマホの地図で取引先までの到着時間を確認してみる。
約束の時間には5分ほど遅れそうな結果が出た。

この状況では、相手に詫びの電話の一本も入れるべきだろう、と部下は思った。
しかし、部下は運転中である。当然ながら上司が相手先に電話を入れた。

— 上司の電話
 あ、お世話になっております。
 〇〇でございます。
 今日は到着が10分遅れますんで、宜しくお願いします。

詫びは無しかよ!!!部下は驚愕した。
しかも何で10分って言い切るんだよ!少し許容範囲を持たせろよ!部下の心の声は上司には聞こえなかった。

出張帰りの食事編

なんとか取引先との仕事を終えた無礼上司と遅刻部下。
ちょうどお昼の時間となったため、一緒に食事をすることになった。

実は部下の方は、お昼の弁当を持参してきていた。しかし、上司に「俺、お昼用意してきてないよ」とそっけなく言われたため、部下は上司と一緒にレストランで食事をすることになったのだった。

お昼はアジアン風の料理で割と値段も安く美味かった。
食事を終え2人はレジに向かった。
タイミング的に部下の方が先にレジに到着しそうだった。
部下がレジに声掛けしようとした瞬間…!!忍者のごとく上司が割り込んで来た。(部下は「いつの間にっ!」と思った)

瞬間移動の上司が放った言葉は

「ベツベツデ」

だった。
部下はとっさに「別々で」と頭の中で変換し、何が起きたのか悟った。
しかし、事件はここで終わらない。

上司が忍びならレジのお姉さんもそれを上回る忍びだった。
レジのお姉さんの放った一言。

「もう一度おっしゃって頂けますか?」

上司の返答の言葉。

「…あ、一緒でお願いします」

形成が逆転してしまった。(何の形成だ?)
しかもその時、部下は上司が「一緒でお願いします」と言った瞬間、手に持っていた1枚の千円札を即座に2枚に増やすのを見逃さなかった。さすがは忍び。

最後に部下は言った。

「ご、ごちそうさまです」

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