長崎瞬哉(詩人)

詩:隔てるもの

海は、隔てるものではなくつなぐもの…
長崎瞬哉(詩人)

詩:交差

陸橋を渡っているとき列車が下を通り過ぎた乗客の顔が数人見えて私の足取りは軽くなった
長崎瞬哉(詩人)

詩:親心

急な坂道を上っていたとき、ベビーカーを押した女の人とすれ違った。こんな坂道でベビーカーの手を離したら、さぞ大変だろうと思った。
長崎瞬哉(詩人)

詩:僕はしゃべらない

僕はしゃべらないしゃべればしゃべるほど誰かの言葉になっていくから僕はしゃべらないしゃべればしゃべるほど自分が遠くなるからだから僕はしゃべらない
長崎瞬哉(詩人)

詩:特急列車

僕が 特急列車に乗ったとき着いた駅は 各駅停車の駅と同じだった人は皆 人生という時間の奴隷だ自分が 奴隷であるということを僕は 駅を降りたとき知った
長崎瞬哉(詩人)

詩:不一致

旅は人生に似ている山登りも人生と似ている…
長崎瞬哉(詩人)

詩:知らない夜空

君が近頃、星を見なくなっているとしたらちょっと今夜、夜空を見上げてみるといい。
長崎瞬哉(詩人)

詩:人生

親から手札が配られたまずはどれから出そうかな相手が捨てたカードには何かの意味があるはずだ
長崎瞬哉(詩人)

詩:二口目

一口目のお酒のなんと美味しいことか!二口目、三口目と飲むにつれ薄れゆく感動いつか真実は自分の中にあると知る
長崎瞬哉(詩人)

詩:歴史を食べる

今日わたしが死んだら、歴史はそこで終わるのか。わたしの歴史を食べてくれる人がいたらいい。