ショートショート

長崎瞬哉(詩人)

ショートショート『ノストラダムスは眠らない』

現実は時々予想外の事が起きて面白くもある。しかし、頭の中で巡らす大小様々な妄想ほどには面白くもないと悟ったのは、1999年の7の月が何事もなく過ぎた少しあとだった
長崎瞬哉(詩人)

超能力シスター

「超能力者っているのかなあ」妹が俺に聞いてきた。「いるんじゃない」 俺はめんどくさそうに答える。「やっぱいるんだ……。それ、わたしかなあ?」 たまに妹は突拍子もないことを言う。「なんでさ?」
長崎瞬哉(詩人)

ショートショート:ある日の宇宙

「子供って、あっという間だね」「ちょっとこわい気もするな」
長崎瞬哉(詩人)

チルルからノイへの短い手紙(旅の無い星)

どうやらコメノ先生の話では、最近チルル宇宙局のメンバーがノイの移動の仕方についての研究を開始したらしい。驚く事にノイたちは移動にかなりの時間を使うようだ。それは想像を絶する。
長崎瞬哉(詩人)

とある上司とある部下の話

食事を終え2人はレジに向かった。タイミング的に部下の方が先にレジに到着しそうだった。
長崎瞬哉(詩人)

ショートショート:おはやしが聞こえる

はて、わたしは一度でもおはやしの音をたてている連中の顔を見たことがあっただろうか?真夜中、目が覚める。おはやしの音がどこからともなく聞こえてくる。
長崎瞬哉(詩人)

ショートショート:あしかせ

端末を操作しつつ周囲に気を配っていると、ちょうどブランコを勢いよく下りた少女と目が合った。「あしかせ」少女は私の方に向かってそう言った。
長崎瞬哉(詩人)

ショートショート『いつかの彼女』

『いつかの彼女』/長崎瞬哉幼馴染みの女の子。少し気になる存在だった。2年前のあの日、学校からの帰り道。彼女は笑顔で(僕にとってはとびきりの笑顔で!)「またね」と言った。翌日彼女は学校に来なかった。翌々日も。高校2年生女子の失踪事件は当時大き...
長崎瞬哉(詩人)

鬼ごっこ

『鬼ごっこ』/長崎瞬哉また鬼になってしまった。ヒロシは少しうんざりしていた。昼休みのほんの数十分とはいえ鬼ごっこの鬼になってしまったのだった。ヒロシはどちらかと言えば友達づき合いの悪い方ではない。当然、クラスメイトに鬼ごっこしようと言われれ...
長崎瞬哉(詩人)

ショートショート:何かが触れた気がした

『何かが触れた気がした』/長崎瞬哉 てっきり彼女がわたしをひきずりこもうとしているのだと思った。でも違った。彼女の目的はわたしと入れ替わること。ううん、違う。入れ替わるんじゃない。――彼女はわたしになりたかったんだ。§ 夏で、暑い日だった。...