短歌

長崎瞬哉(詩人)

短歌:蝉しぐれ

蝉しぐれ 雑音とする 心あり 季節忘れて 過ぎる私よ
長崎瞬哉(詩人)

短歌:カセットテープ

カセットに録音してる夢を見た 曲の途中で母の呼ぶ声
長崎瞬哉(詩人)

短歌:雨音

雨粒が みんなと落ちて この星を タンタタ シトシト 奏でているよ
長崎瞬哉(詩人)

短歌:4月9日

早世の夫の命日忍びつつ 初孫祝う4月9日
長崎瞬哉(詩人)

短歌:水戸20時18分発 常陸大子行き

ぐっすりとホームで夢見る花びらを 到着電車が宇宙そらに運ぶよ
長崎瞬哉(詩人)

短歌:魔法

葉の落ちた木からつぼみが出てきたよ 春は魔法と毎年おもう
長崎瞬哉(詩人)

短歌:炭水化物

夕食の献立何にしようかと 悩んだけれど餅とラーメン
長崎瞬哉(詩人)

短歌:人はみな

Bさんは 囚人だよと Aが云う 誰かが見れば Aも囚人
長崎瞬哉(詩人)

短歌:家族

つかの間の 家族といふは 有難き 一人一人が 過ごす夢かも
長崎瞬哉(詩人)

短歌:青春

無理だって 今なら分かる あの頃は なんにも見えず 君を見ていた