俳句

偽善者は野原に一つ花残す 長崎瞬哉

川音に交じりて涼し蝉の声 長崎瞬哉

玻璃窓（はりまど）に映るわたしのうすい顔 長崎瞬哉

巣立ち来て最後の餌と親は感ぜり 落ちた巣を見上げた空に子燕（つばめ舞う） 長崎瞬哉

スギナ抜く我が背勇まし蚊を従えて 長崎瞬哉

始まりは無限な気がした夏休み 長崎瞬哉

おかあさんありがとうともう言えない 長崎瞬哉

年齢がいくほど過去を思い出す 長崎瞬哉

突然の雨に庇（ひさし）の有難さ 長崎瞬哉

枯れ木にも鳥はとまるよ倒すまじ 長崎瞬哉