通勤途中に勾配がジェットコースターのように激しい1本道の山道がある。最近、その山道の片側にある森林が削り取られてはげ山になった。あれよあれよという内に、広大な面積の太陽光発電のパネルが顔をだしたのだ。
近所でも畑が太陽光パネルに変わってしまった場所はいくつかある。畑の担い手がいなくなって太陽光パネルになるのはまだ理解できる。しかし、木を倒して太陽光パネルを設置するとなるとちょっと待てよ、と思ってしまう。
冒頭の森林を削り取ったはげ山は、わたしがちらっと見ただけでも野球場分以上の広さがあった。あれだけの木があれば大雨が降った時に貯水できる量は相当なものだろう。木の恩恵にあずかっていた動物たちはどうしたのだろうか?木の実を食べて生活していた者たちは。
大規模な太陽光パネルが完成した暁には、かつて森を追われた者たちが麓の農作物を食い荒らすことだろう。いやその前にはげ山が受け止めきれなかった雨水が洪水となって田畑や家々を流してしまうかもしれない。そしてさも被害者ぶった深刻な顔でニュースキャスターは言うのだ。
「自然の脅威が人間に牙をむいたのです」
その時、人間は自分たちが自然に牙を向けたことをすっかり忘れてしまっている。
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