自分が出した年賀状が「あて所に尋ねあたりません」などと赤くハンコを押されて戻ってくるのは正月早々寂しいものだ。
わたしは2年前に年賀状を出すのをやめてしまった。
自分の出した年賀状が戻ってくることはなくなったが、今年妻が出した年賀状の1つが戻ってきていた。
それを見てわたしはかつて何度もあった自分自身の「帰ってきた年賀状」のことを思い出したのだ。
何週間か前に相手のことを考えて少しばかりのコメントを添えて書いた年賀状が、新年早々何通も戻ってくるといたたまれない気持ちになってくる。
空しいし、寂しい。
そして、帰ってきた年賀状を改めて見返してみるとかなり気恥ずかしいのだ。
自分に対して「また会いたいね!」とか「こんど飲もう!」「英会話はじめたよ~」などの言葉が向けられるのは相当恥ずかしい。
空しく寂しく気恥ずかしい「帰ってきた年賀状」の根本原因を考えてみた。
つまる所それは「心にもない」ことを書いていたのではなかったか?
きっとそれは帰ってくるべき年賀状だったのだ。