現在、携帯電話の進化は、パソコンを超える勢いだ。
【写真/2010年10月23日 紙で作ったiPhone4で話す】
わたしは、今から15〜16年前、携帯電話機を売る仕事をしていたときがある。
当時の携帯電話は、一台10万円を軽く超えていた。
NTTドコモからN101とかP101などが売り出された時代だ。
N101のNはNEC、P101のPは、Panasonicの略だ。
あとS(SONY)とか、SH(SHARP)、F(富士通)、D(三菱)などあった。
この時は、パナソニックのP101が、小さくてカッコイイという雰囲気で、折りたたみ式のN101は、ダサイという世間での評価だった。
この後、Nシリーズは、小型化されスタイリッシュになり、ドラマ等でも使われた為、「折り畳む」という行為そのものがカッコイイに変化した。
価格は、一台10万円〜15万円もしていた。
当然普通のサラリーマンでは買えない金額。
わたしは、ヤクザ屋さんに売ったことがあった。
この当時は、携帯電話の本体代金とは別に手数料があり、それが3万以上していた。
今のあなたならどうだろうか。
15万から20万も払って携帯電話を買うだろうか。メールも出来ない携帯電話を。
わたしは、携帯電話の歴史をみてきたので、今の安売りされているスマートフォンなどを見ると便利すぎて怖くなる。
安売りされていると言ったが、決して安売りではない。
毎月の通信費に本体代金が上乗せされているからだ。
毎月5000円から6000円も支払って、あの小さな機械を使っているわけだ。
アプリ1つは100円位で買いやすいが、つもれば大金になる。
携帯電話が普及し始めた当初、電磁波が人体に悪影響を与えると話題になった。
電磁波は科学的には、電子レンジと同様なので局所的に暖めることにはなるらしい。
しかし、携帯電話の発する電磁波は電子レンジのように1000kWも出している訳ではないので、心配する程ではないと科学者の長沼 毅さんも著書で述べている。
わたしはどちらかと言うと、携帯電話を使いすぎて目が悪くなったりすることの方が心配だ。
あんな小さなディスプレイと長時間にらめっこしていて身体にいいはずはない。
肩こりの原因にもなるし、姿勢も悪くなる。
一生のうちに携帯の画面を見ている時間が自然や空を見ている時間より多いなんて寂しいと思う。
文章を作成する行為において「書く」行為は文字を覚えたり試行錯誤することが可能だが、「打つ」という行為は、文字自体を得るだけで漢字を覚えたり、順序だてて考えることには向かない。
ひとことで言えば、携帯電話も鉛筆も道具だ。
一般にはそう思われている。
ただし、一生使える道具は携帯電話ではない気がする。
携帯電話を使っていて感じるのは、脳には強い刺激がいっているが、使っている身体の部分はすごく少ないことだ。
脳内で完結してしてしまっていて、考えようとしなくなる。
なぜなら、ディスプレイに表示されるメニューは、誰かが作ったメニューの中からしか選べないからだ。
想像力を抑制してしまう部分とそれが人間にストレスを感じさせてしまう部分がスマートフォンなどの携帯電話にはある。
想像力が働かなくなるというのは、人間バカになるということだ。
電話だけの機能だったら、もうちょっと想像力が働かせられたのになぁと思う。
道具はシンプルであるから長く使えるのだ。
もはや携帯電話は、道具ではない。
長い時間使えば使う程、人体に悪影響を及ぼすものになってしまった。
しかし、使わなければ、バカにもならないし、ストレスを感じることもない。
そろそろ、気づく人が増えてきてもいいんじゃないかと思う。
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