小学校の通学路沿いに宮沢商店という日用雑貨が売っている店があった。
お菓子や日用品の他に少しだけ店先に雑誌類が置いてあった。
友達情報によると宮沢商店では、コロコロコミックというその頃人気だったドラえもんはじめいろいろな漫画が載っている月間の漫画本が買えるという。
早速わたしは宮沢商店にいったが、コロコロコミックは売り切れだった。
毎月買うなら注文できるよ、という店の人の言葉にのせられわたしは契約した。
今なら、ネットで10分もあればクレジットカードの契約さえできてしまうが、その頃のわたしからすれば、「毎月コロコロコミックが、自分のために宮沢商店に届く」という契約はもの凄いことのように感じた。
契約したとたん、わたしは来月届くコロコロコミックへの期待やら嬉しさやらでウキウキしてきた。
あと1週間、あと3日、あと1日…とカウントダウンが心の中で繰り返された。
届いたコロコロコミックは、友達と回し読みした。
主人公が、インベーダーゲームを「ムーンサルト!」とか叫んで宙に舞ってプレイして高得点をたたき出す漫画『ゲームセンターあらし』などは、今考えるとばかばかしい内容だったが、毎回楽しみだった。
その頃は、毎月届くコロコロコミックがわたしにとって最新情報だった。
今はネットですぐに漫画でも何でも手に入る時代だ。
待ち遠しいという気持ちが少なくなった時代だ。
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