ちなみに文化は辺境に残りやすいのである。中央において成立した文化は、辺境に伝わっていくが、中央は変化が早いので、失われてしまうことも早い。
司馬遼太郎著「歴史と風土」磯貝勝太郎氏の解説文より
司馬遼太郎の「歴史と風土」の解説文にこんなことが書いてあった。
辺境とは田舎と置き換えてもよい。
だとすればわたしの住む茨城の片田舎にも、すでに都市部では失われてしまった文化が残っていることになる。
旅行したときにどこかの片田舎を訪ねてみれば、今ではそこでしか見ることのできない日本の文化に巡り合うかもしれない。海外旅行でもまた同じだろう。
地球上で、時間は平等に経過しているように見える。
しかし、ある土地では失われたものが、ある土地では残っているとなれば「場所」というものは、「時間」を超越したところにあるのかもしれない。
人が移動することの意味は、ただA地点からB地点に移る以上のことがあると考えるべきなのだろう。
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