手をかけると見えなかったものが見えてくることがある。
家の裏に雑木林がある。
最近は、雑木林の手入れをすることがわたしの週末の遊びになっている。
2〜3年前に手をつけ始めたときは、直径が15cm以上もある竹がぼうぼうと間隔もなく生えていた。分け入ることさえままならない。今では、竹を大方後方に追いやったので、隠れていて見えなかった木が顔を出している。
椿の木がある。椿の木のとなりには、小さい赤い実がなる背の高い木があることが分かった。分かった、というのは、竹や笹薮に隠れて、また蔓草がその木に巻き付いて今まで見えなかったのだ。
蔓草を木の周りから全部取り、竹と笹を取り払ったら、りっぱな木である事が分かった。
ちょうど、お茶の間の窓から木が見えるので、作業を終えたあとにしばらく悦に入って木を見ていたら、鳥が赤い実をくちばしにくわえて飛び去っていった。赤い実はわたしも作業中に食べてみたが、甘かった。とりわけ美味しいほどではないが、何も食べるものがなくなったら食べると思う。指先でつまむと弾力がなくすぐにぐちゃっとしてしまった。
ちょうどその赤い実は、<宮西達也の絵本に出てくる「赤い実」>を思い出させてくれる。
赤い実は鳥が食べるのか、と思った。
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