詩:家族

長崎瞬哉(詩人)
『家族』/長崎瞬哉

自転車の補助輪をはじめて外した

母が「わたしが後ろで支えているから」といった

私はおそるおそる自転車をこいだ

少し走って後ろを振り返った

母は後ろにいた

父が「今度は俺が後ろで支えよう」といった

私はさっきより強く自転車をこいでみた

急にバランスをくずして私は転んだ

後ろを振り返った

父が遠くで笑っていた

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