詩:まびき

長崎瞬哉(詩人)

まびき

花や野菜の芽を間引きするとき、手が立ち止まる。

どちらにしようか迷っているのだ。

具体的に言えば、どちらを生かしてどちらを殺そうか迷っている。

ごめんなさい

と心でつぶやいたふりをするが、やはり自分が殺したのだ。

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