耳をすませば

秋の夜。
季節の中でもとりわけ秋は静かだが、実際は色々な音が聞こえているものだ。
もう何時間も前から鳴いていた虫の声が、やっとこわたしの耳に飛び込んできた。

「虫の声に耳をすます」という行為は、わたしの場合それ程多くあることではないのだ。何か考え事や集中したことをしていると、ずっと鳴り響いている虫の声に気づかない。
わたしは、虫の声がまるで聞こえないかのように振る舞っている。
世の中の多くのことに対してもそうかもしれない。

耳を澄ますということは、実は心を無にすることかもしれない。

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