映画「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」を妻と観た。
【写真/2012年4月3日 上野発スーパーひたち27号いわきゆき】
あらすじ
地方鉄道の車掌滝島は、定年退職まで残り1ヶ月。滝島の妻佐和子は、夫の退職を機に自分のやりたかった仕事に就きたいと願う。
夫婦にとって、第2の人生が始まるとき、人生鉄道の扉が開く。
2人の行き先は、同じか別か。
「いちばん近くにいるのに、一番わからないあなた」というコピーが示すとおり、映画のなかでの夫婦は、お互いの気持ちを受け止めることが出来ていない。
特に夫のほうが、妻の気持ちを理解していない。
これは、わたし自身が身につまされることだ。
わたしのように、結婚し10年以上を妻(夫)と過ごした方には、自分のことのように感じる映画だと思う。
ラストシーンは、人生のリセットと呼ぶのだろうか。終わり方には、賛否両論あると思うが、わたしは、これはこれで良かったと感じた。
妻とも感想を述べ合った。
結婚をしたことがない方や夫婦生活が短い方には、ピンとこない映画である、と言う部分は一致した意見だった。
裏を返すと、結婚し、子供の世話も落ち着いてきた夫婦にとって、この映画は良く分かる映画だ。
何がわかるのかと言うと、夫の気持ち、妻の気持ち双方の気持ちが良くわかる。そして、自分たち夫婦だったらどうか、と置き換えて考えたくなる映画なのだ。
なぜあの時、あんなに怒っていたのか。こういう時は、こんな気持ちだったのか。
恥ずかしい話だが、この映画を観て少し妻の気持ちに寄り添えるようになった。
夫婦は、お互いに「素直になれない」…これに尽きる。
そして、お互い素直になれば幸せに過ごしていけるものだ。
滝島役の三浦友和が、枯れた役を好演している。滝島の妻役、余貴美子は、生活感のある役を演じても美しい。
「熟年夫婦の第2の人生」で発生する問題をどう乗り越えるかが、この映画のテーマだ。
しかし、車掌の滝島が運転を教えることになる新入社員の小田(中尾明慶)も若い人特有の問題を抱えている。
わたしからすると小田の抱える問題は、若いなぁと感じる。
しかし、人生は、その時その時で抱えている問題も変わってくるものであり、そしてその時々で自分が判断し悩んでいくしか解決方法は、ないのだなぁと改めて感じる。
この映画は、日々悩んで問題を抱えながら夫婦生活を送っている人にとって、涙し、頑張る気にさせてくれる、とてもいい映画だ。
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