我が家の石油ストーブの使い方は主に3つ。(もちろん、暖房機能を除く)
- 湯を沸かす
- 煮物を作る
- 洗濯物を干す
寒がりのわたしにとって、いつでも熱い湯が飲めるというのは最高の有難さだ。しかも石油ストーブは赤く燃えるので見た目にも暖かい。石油ファンヒーターの熱風とは雲泥の差だ。わたしから言わせると石油ファンヒーターは、「暖かければいいんでしょ」的な機能のみの製品だ。それに引き換え、石油ストーブの想像力を見よ。(もちろん、石油ファンヒーターでも想像力豊かに使っている人がいるのは知っている。ただ、わたしが石油ストーブ好きな理由で、こんな事を書いている)
ここからが本題である。
2011年の《東日本大震災》の時、我が家で一番活躍したのは石油ストーブだった。
こんな形のストーブ。
震災のあった3月、まだ寒かったので石油ストーブは出しっぱなしだった。電気が使えない(1週間使えなかった)状態の為、暖を取るためだけでなく、石油ストーブは調理器具として大活躍した。
よくよく考えてみると、電気が無くてもいつも通り使えるし、石油ストーブというネーミングだが、灯油を入れて使うのでガソリンなんかより燃料代もずっと安い。一番好きな点は、ヤカンに水を入れて乗せておけば、いつでも沸騰したお湯が使えるのだ。料理だって得意だ。さすがに炒め物は厳しいが、じっくりコトコト煮るようなおでんや魚の煮つけなどは材料を入れて置いておくだけで出来上がる。鶏のもも肉でもむね肉でもいいので買ってきて、なべに水と一緒に入れて石油ストーブの上に置いておけば、1時間後には箸でくずれるくらいに柔らかい鶏肉にありつける。
石油ストーブ最高!
実はわたしは震災前から石油ストーブ大好き人間で、現在自宅では3台の石油ストーブが稼働している。コロナが2台。トヨトミが1台。(メーカー名です)ちなみにコロナの2台は、最近のストーブにある灯油タンクを持ち上げるとストーブが強制的に止まってしまうタイプではないので、ストーブが点いている時でも、灯油タンクに給油をすることが出来る優れものだ。昨今のストーブは、安全装置のせいで融通がきかない。給油しようかとちょっと灯油タンクを持ち上げただけで、人を驚かすように「ガチャン」と音を出して消火してしまう。昔のタイプの方が良いと考えるのはわたしだけだろうか。
幸い我が家の石油ストーブは壊れたためしがない。作りがシンプルなので石油ストーブは一生壊れないのではないかと思ってしまう。ストーブが壊れて買い替えることが無いので、このままだと石油ストーブが増える一方だ。
最近、石油ストーブの使い道の一つとして、「落花生を煎る」というものが加わった。
先日、安売りしていた生の殻むき落花生を買ってきて、石油ストーブの上に乗せたフライパンで煎ってみた。20分ほど炒れば、カリカリとしていない不思議な食感の煎り落花生の出来上がりだ。
冷ませばカリカリになるらしいが、煎ってすぐに食べると本当に美味しい。普段、煎って売られている落花生しか食べた事のなかったわたしは感動してしまった。娘と一緒に食べはじめたら次第に《千と千尋の神隠し》に出てきたガツガツと食事にありつくお父さんとお母さんみたいになってしまった。(この二人、途中で豚に変えられてしまう)
台所まで行かなくても食事やおやつの用意が出来るというのはすごく便利だ。
落花生を煎るのに20分もかかっているが、面倒くさいという気持ちになる訳でなく、家族とお茶の間で談笑しながら色々出来るのは精神衛生上よろしい。誰か手が空いた人が、フライパンの落花生を動かしてということが自然に出来るからだ。まあ、こうした生活は別段目新しいものではなく、《まんが日本昔ばなし》にもよく出てきた光景で、電気が無い時代に当たり前だった事だ。
ファンヒーターのようにファンが回る音がしない点も良い。石油ストーブは、動作音がほぼないと言っていい。せいぜいヤカンのお湯が沸く音くらいだ。でも、夜なんかヤカンのお湯が沸く音もいい雰囲気出すんですよ。ホント。
以上を総合すると、石油ストーブはゆっくりとした時間を取り戻せるタイムマシンのような装置と言える。石油ストーブは、極めて優れた暖房器具なのだ。
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