月刊マイコンBASICマガジン休刊のお知らせによせて

2003年(平成15年)の4月12日のスクラップブックは、わたしが小学生から中学生にかけて愛読していた『月刊マイコンBASICマガジン』が休刊したことを告げる電波新聞社からのお知らせだった。
コンピュータの一つの時代が終わったことを告げていた。

『月刊マイコンBASICマガジン』は、パソコンがマイコンと呼ばれていた時代、コンピュータを使ってプログラミングをしたい人向けの投稿雑誌だった。投稿されるジャンルはゲームが多く、その当時はゲームセンターでゲームをするしかなかった時代に自宅でゲームが出来るというのは凄いことだった。投稿者は大人だけでなく、小学生や中学生も多くいた。それらの投稿されたプログラムを自分のパソコン(マイコン?)に打ち込んでもすぐにはゲームができない。なぜなら打ち間違いが多数あったからだ。もちろん打ち込んだわたしが悪いわけで、くやしかったら自分で直すしかない。わたしは、何度も何度も雑誌とパソコンとをにらめっこして自分のタイプミスを探した。
格闘すること数時間、いや何日間も格闘したプログラムがあったと思う。もちろんゲームがしたい一心で。
打ち込んだプログラムで実行されるゲームは現代のゲーム機からすれば、大したことないものばかりだったが、それを自分と同じ小中学生が作っているのだと考えるとただただ凄いとしか言いようがなかった。

わたしは誰に教えられたというでもなく、いつの間にかプログラミングが出来るようになっていた。
まあ、今でも大したプログラムは作れないが。
わたしがしたのは、他人が作ったプログラムを一から打ち込んで間違いを探して実行出来るようにしただけだった。
現代においてはもっと効率の良い方法があるので、おすすめできるプログラミング習得方法ではない。ただ、これだけは言っておきたいと思う。

『月刊マイコンBASICマガジン』休刊のお知らせにある一文。

ゲームはパソコンからファミコンなどゲーム機主流に、
さらにソフトは「作る」より「利用する」社会へと
変化しました。
残念ながら、プログラミングに興味を持つ若者の減少により
「マイコンBASICマガジン」は休刊せざるを得ないと、判断
するものです。

もし、社会がこの文章どおりに進んでいくのなら、脳みそはくさっていく一方だ。
「利用する」人ばかりの世の中はきっとつまらない。
人が滅びるとすれば、「作る」ことを忘れたときだろう。

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