以前、天井のもようが顔になるときという記事を書いた。
小学生の頃、熱を出して家で寝ていると仰向けで天井を見ることになる。
しばらく家の天井を見ていると、木の年輪のような部分が顔に見えてくるのだ。その事についてもう少し詳しく書いてみることにする。
小学校3年生
天井の模様が顔に見えていたのは確か小学校3年生くらいまでのわたしだった。天井の模様が顔に見えるのは決まって高熱を出したときで、家の人がわたしの寝ている部屋にいない時だった。ひどいときには、天井の顔はどんどん大きくなってゆらゆら動き出す。
顔も1つではなく2つ3つと増える時もあった。
顔はわたしに対してうめき声のような「うわーーーん。うわーーーん」といった声を出すのだ。その声はサイレンの音が遠ざかったり近くなったりするようにわたしの脳内を反響した。
小学校4年生
小学校の4年生を過ぎると熱をだしても天井に顔が現れなくなった。そもそも小学校3年生までのわたしと4年生以降のわたしは違った。遊ぶ友達が変わったのだ。小学校3年生までは、クラスが2クラスあった。子供の数が減ったか学校の規約が変わったかで、4年生から1クラスになった。1クラスに減った分、同級生の数は増えた。今まで別のクラスだった者と出会うことになったのだ。
どちらかと言うと、小学校3年生までは外で遊ぶことが少なく友達の家に行って遊ぶ事が多かった。たまたまそういう外で遊ぶ事の少ない同級生と友達になっていたせいもある。お互いの家に行っておもちゃで遊んだりしていた。そしてよく風邪をひいていた。小学校3年生までのわたしは本当に学校をよく休んでいた。
4年生になって出会った友達は野性的に外で遊ぶ事が基本の面々がそろっていた。自宅から近くの友達も増えて、自然が豊富な環境に住んでいたわたしは、すぐに外遊びのとりこになった。自然の中では何があるか分からない。想定外が毎日起きることにただただ夢中だった。
天井の顔に会えるとき
きっと外遊びのせいで体力もついて、身体が以前より強くなったのだ。風邪をひくことも減り、風邪が重くなることも少なくなった。
いつの間にか熱を出した時の天井の顔にわたしは会えなくなっていた。
最近は年齢とともに体力も減ってきている。もしこの先、体力が減って、身体が弱くなり、以前のすぐに熱を出すわたしに戻ったなら。その時天井を見上げたら。また、あの顔に会えるだろうか。
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