銀河英雄伝説5 風雲篇
田中芳樹(著)
「わしはかなり過激なことを言っておるようだな。だが、実際、建国の理念と市民の生命とがまもられないなら、国家それじたいに生存すべき理由などありはせんのだよ」
アレクサンドル・ビュコック
「独裁者を支持するのも民衆なら、反抗して自由と解放をもとめるのも民衆です。私はこの国へ亡命して、そろそろ30年にもなろうというのに、いまだに解答できない問題があるのです。つまり、民衆の多数が民主主義でなく独裁をのぞんだとしたら、そのパラドックスをどう整合させるのか、というやつですがね…」
ワルター・フォン・シェーンコップ
愛国心が人間の精神や人類の歴史にとって至上の価値を有するとは、ヤンは思わない。同盟人に同盟人なりの愛国心があり、帝国人に帝国人なりの愛国心があるーけっきょく、愛国心とは、ふりあおぐ旗のデザインがたがいにことなることを理由として、殺戮を正当化し、ときには強制する心情であり、多くは理性との共存が不可能である。とくに権力者がそれを個人の武器として使用するとき、その害毒の巨大さは想像を絶する
ヤン・ウェンリー
「なにしろ、葬式はひとりでできるが結婚式はふたりでないとできないしなあ」
アレックス・キャゼルヌ
「わたしにはわかりません。あなたのなさることが正しいのかどうか。でも、わたしにわかっていることがあります。あなたのなさることが、わたしはどうしようもなく好きだということです」
フレデリカ・グリーンヒル
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